第八十九話
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刀流》は頑張って再現してたけど」
往年のキリトに憧れていたらしく、その戦闘スタイルは《二刀流》。もちろんスキルの補助もなく、あくまで模倣ということらしいが。
結局、報酬である《天使の指輪》は四人でそれぞれ交換し、再開を誓い合って別れた――とのことで。もちろん良い話ではあるが、壊れた装備という現実……いや、仮装現実は変わらないわけで。
「それで、直すアテがあるってどういうことですか? 里香さん」
「ん? 直すアテあるのか?」
画像を見ただけでもこっぴどくやられたと分かり、かつ服などの修復は里香といえども専門外だ。生半可なNPCショップでは直せない程だろう、とも考えていたが、何と里香には直すアテがあるとのことで。
「ふふふ。里香さんをナメないで貰いたいわね。でもま、それは直葉にも連絡取ってからね」
どうせあの子ヒマしてるでしょ――とさりげなく酷いことを言いながら、里香はどうだ見たか、と言わんばかりに胸を張る。ずっと見ていたい衝動に駆られるものの、何とか目を逸らして買っていた缶コーヒーを飲む。
「もったいぶらないで早く教えてくださいよー」
「ダーメ。楽しみに待っときなさい。どうせあの子ヒマしてんでしょうから、すぐ返信帰って……来たわね」
もはや学校に行く予定も義務もない中学三年生たる直葉に対して、里香が微妙に的を射た事実かつ酷いことを言ってのけた瞬間、里香の端末に直葉からの返信が来たことを告げる音が響く。……どうやら本当に暇だったらしく、すぐにでも会えるとのことで。
「珪子、今日はまだ授業ある?」
「私は今日は終わりです! 翔希さんたちは?」
「俺たちももうないな」
それは里香も同じことであり。近くにある喫茶店の場所を直葉に教えながら、ひとまずそこで集合することにすると、俺たちは揃って教室をを出ることにする。
「翔希さん。キリトさんからGGOの話は聞きましたけど、大変だったみたいですね……」
「色々あったけど俺は元気です」
「何よあんたその口調」
などと、取りとめのない話を続けながていると。俺たちの背後から、何かが走ってくるような物音が響いていた。
「――リズ! シリカ!」
そしてその背後から、またもやプレイヤーネームが大声で呼ばれ、里香が眉をひそめて言い返そうと後ろを振り向くと――その物音を発していた人物に、二人は思いっきり抱きつかれた。
「やっと会えました!」
里香と珪子に突如として抱きついてきたのは、この学園の制服を着た、ユルくウェーブのかかったロングヘアが特徴的な見たこともない顔の少女。絶対的に生徒の数が少ないおかげというべきか、顔も知らない生徒はいないはずの学園で。
「……誰?」
……ほわ
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