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SAO−銀ノ月−
第八十九話
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かした言葉だったが、そう言われると耳が痛い。元々里香たちと行こう、という約束をすっぽかしたのは、GGOを優先したとはいえ自分なのは確かだ。

「そもそも、何で壊され――」

「リズさぁぁぁん!」

 そんな俺の疑問は、新しく教室に入ってきた闖入者の声にかき消された。小柄な身体にツインテールが揺れており、そんな外見をしている知り合いは一人しかいない。

「ホントですか、VRMMOやってる女の子が来るー、って!」

「はいはい、本当だから落ち着きなさい。それと里香ね、里ー香」

 本名とプレイヤーネームが比較的近いからか、よく間違われる名前をうんざりした顔で訂正しながら――本名そのままの俺や明日奈よりはマシだが――里香は、慌ててきた珪子に注意する。

「えへへ、ごめんなさい。やっぱりそういうのって嬉しくて!」

 近い世代のプレイヤーがそんなに嬉しいのか、珪子は喜びに震えつつも行儀良く俺たちに一礼しながら、近くにあった椅子へと座りこむ。

「あ……ごめん翔希、何だっけ?」

「何でそんなに壊されたのか、そういや聞いてないと思ってさ」

「色々無理しちゃいまして……」

 リズたちが行ったクエストは、旧SAOのものをリメイクしたという《天使の指輪》クエスト。敵に捕まった天使だか女神だかをパーティーで助けて、そのパーティーの絆の証としてとある指輪を貰う……という、シンプルなクエスト。その指輪というのがこのクエストでしか手に入らないもので、レアアイテムを求めてさぞ挑戦された……という訳でもなかった。

 そのクエストで手に入る、二対の指輪の効果は……『一定期間だけ短い言葉を対の指輪に届ける』という、メッセージでまったくもって構わない代物で。一応、プレイヤーとしての矜持として――キリト談――一回はクリアしたものの、特に賑わうこともなく。とはいえ、女性プレイヤーには人気だったらしいが……

「私もSAOの時にクリアしたんですけど、ALO風にリメイクされてて、結構やりごたえがあったんですよー」

「クリア出来たのはクロのおかげよねぇ。……まあ、こんなボロボロになったのもクロのおかげだけど」

 里香が撮ったスクリーンショットに写る、キリトそっくりのアバターを使った女プレイヤー。自分たちと同じSAO生還者であり、このクエストに単独で挑んでいたらしい。ただ、SAO事件から半ば自暴自棄なスタイルだったらしく――自分にも覚えがありすぎる――それを守るためシリカたちも突出した結果、みんな揃ってボロボロになったとか何とか。

「でも、最後は笑って『またよろしく』って。そう言ってくれたから、大丈夫です!」

「それは何より、だ。強いのか?」

「うーん……見たとこ、あたし以上リーファ以下、ってとこかしらねぇ。《二
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