暁 〜小説投稿サイト〜
珠瀬鎮守府
響ノ章
写真家赤城
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る気がない謝罪を返す。彼女は、活躍している。活躍の機会があるのだ。それは、よくも悪くも。私は、その機会がない。良くも、悪くも。
 首から下げた写真機を思い出した。そうだ。彼女も撮ろう。そう思って、写真機を握ってから気がついた。建物の影に入っているせいで、先程より少し暗い。光量が足りるだろうか。失敗はしたくないし、白木さんに聞いてみよう。
「ねぇ、白木さ――」
 彼が居る後ろを振り返ったら、尋ねようと思った言葉を紡ぐことを、暫し忘れた。彼は、小さな笑みを浮かべていた。とても小さな笑みを。
 例えるならそう、家族の写真を一人眺める父親のような、そんな顔。
 けれど、そんなことは一瞬で、まるで今のことは私の見間違いかと思うほど速やかに、いつもの彼の顔になった。
「「どうした(どうしたの)赤城(赤城さん)」」
 だから、私の後に彼を見た響は、そんなことは知らない。彼も、そんなことはなかったように話しかけてくる。ならば、私もそれに合わせなければ。
「いえ、ここで光量が足りるでしょうか?」
「ああ、確かにちょっと暗いな。少し、貸してくれ」
 近づいて来た彼に写真機を渡すと、少しだけ弄って、そのまま私達から数歩離れた。
「白木さん?」
「露光時間を伸ばしたから、ぶれやすい。俺が撮ろう。それに、折角だ。お前ら二人で撮ってやる」
 そう言うと、彼はファインダーを覗いた。左手で、素早く焦点を合わせる。
「一寸、白木さん!」
 響が声を上げる。実は彼女、白木さんがあまり好きではないらしい。というか、この鎮守府では、実はそういう 娘こは少し居る。まぁ、ちょくちょく写真機を持って、艦娘を撮っているのだから、当たり前と云えば当たり前だけど。
「まぁ、いいじゃない響ちゃん。一緒に写真撮りましょう」
 けど、そういう娘だけではない。彼を好意的に見てくれる娘だって居る。まぁ、それは、恐らくちょっと優しいところとか、まぁ、その、色々理由があるからなのだけど。兎角、私は、彼のことを嫌いではなかった。いや、嫌いなだけではないのかもしれない。『あんなもの』を見てしまってから、彼には今までとは違うことを思ったりとか、自身を思い返したりとかしたけど、その気持ちは、まだ変わっていない。と、思う。
 かしゃり、と。音が鳴った。
 吃驚して、二人で白木さんを見た。彼は、右手で素早くレバーを動かして、次のフィルムを送った。
「はぁ、やっぱりだ。赤城、結構撮っていた割には枚数減っていないと思っていたんだが、フィルム送り、上手くいっていないことが結構あったみたいだぞ」
「え、本当ですか!」
「ああ。全く、しょうがないな……」
「ご、ごめんなさい」
 なんという事か、彼の貴重なフィルムを何枚分か無駄にしてしまったらしい。
「その、それじゃあ、報酬の」
「いつま
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