竜の魂 眠る場所
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「あのな!!テメェが試合中にムチャこいたせいでコロシアムの地下に落っこちたんだろうが!!」
「あぁ・・・そうなのか?」
「そうですよ」
「今の今まで覚えてなかったのかよ・・・」
相変わらず記憶力の悪いナツさんに俺とグレイさんがそう言う。目の前にいるガジルさんもあまりの物忘れのひどさに何も言えなくなってしまってるけどね。
「そりゃ大変だったな」
「他人事かよ!!」
「ちゃんと謝った方がいいですよ!!」
自分がやったといまだに自覚がない様子のナツさんに突っ込みを入れるグレイさんと俺。リリーたちも突っ込んであげてよぉ。
「チッ、まぁいい」
「いいんだ・・・」
意外にもガジルさんがすんなりとナツさんを許したことに驚きを隠せない俺。そんな俺のことなど気にする様子もなくガジルさんはナツさんに話を続ける。
「それより、面貸せや火竜。見せてぇもんがある」
「ん?」
「お前らもだ。ガキ、小娘」
ガジルさんはそう言うと俺とウェンディに目を配る。
「え?」
「私たちもですか?」
思わず顔を合わせて首をかしげる俺とウェンディ。ガジルさんが見せたいものって一体なんなのかな?
第三者side
妖精の尻尾で宴会が開かれている頃、大魔闘演舞の現在の順位とポイントが映し出されているクロッカスの広場にある魔水晶の前では今日の試合を見ていた人々がいまだに冷めぬ興奮をぶつけ合っていた。
「妖精の尻尾パネェ!!」
「優勝来るんじゃない?」
「ないないない」
「セイバーちょっとひどくなかった?」
「見た見たww」
「ラミアも少しまずい感じしたな」
「だなww」
どこが優勝するのかで盛り上がっている観客たち。やはり皆応援するギルドは十人十色なようでまともに相手の意見を肯定する者はほとんどいなかった。
「こりゃあ妖精とマーメイドの一騎討ちか?」
「ラミアは絶対上がってこれないだろうしな」
「まだまだセイバーだって狙えるぞ」
「ないないない!!」
「いや・・・剣咬の虎がこのまま終わるとは思えんダニ」
観客たちの中ではすでに優勝は妖精の尻尾、剣咬の虎、人魚の踵の3つのギルドに絞られているようだった。
四つ首の仔犬と青い天馬は上位ギルドにあまりにも大きく点数を開けられているために逆転は皆難しいと考えている。
そして今日のトリプルバトルで3対1の絶対的有利な状況から引き分けに持ち込むのが精一杯だった上に
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