第12話 守りたいもの
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はこのチビか…女が良かったんだがな」
そこに現れたのは大きなナイフを両手に持った刺青をした男だった。まてよ、あのナイフ何処かで見たような気がするぞ。
「『オルビン・マーク』7年前にゼムリア大陸中の女性を無差別に殺害、死体を磔にする猟奇的殺人事件を引き起こした男で通称『ジャック・ザ・リッパー』と呼ばれていた……ってとこね」
僕が何かを思い出そうとしていると誰かが話し掛けてきた、この声は……
「はぁい、リィン♪」
「……また君か」
僕に話し掛けてきたのはレンだった。
「あら、私に会うのがそんなに嫌なの?」
「別にそういう訳じゃない。しかしジャック・ザ・リッパーか……ある日姿を消してからずっと音沙汰もなかったけどこんな所にいたのか」
「あ、始まるようね」
レンが指を指した所を見ると剣をもった子供とジャック・ザ・リッパーの殺し合いが始まっていた、子供は奴に剣を向けるがガチガチと震えていた。
無理も無い、魔獣なら生き残ろうと戦うことは出来るかもしれない、でも人間が相手になれば全然違う、人殺しになど誰もなりたいはずも無い。
「ビビってるのか、でも俺は遠慮なくいかせてもらうぜ」
ジャック・ザ・リッパーが動きを見せた。大型のナイフを構え子供に向かっていく。子供も意を決して剣を構えるがやはり震えている。ジャック・ザ・リッパーはそんな子供をあざ笑うようにナイフを振るった。
子供の頬が斬られて血が流れる。子供は涙を流しながら頬を押さえるが今度はがら空きになった胴体を斬られた。
「やっぱいいね〜、人を斬るっていう感触は……」
恍惚の表情を浮かべながら血のついたナイフを舐めるジャック・ザ・リッパー、その姿はまさに殺人鬼だった。
そして数分後、アリーナに立っていたのはジャック・ザ・リッパーだった、子供は無残にも切り刻まれて地面に横たわっていた。
やはり魔獣より人間のほうが恐ろしいと思う、魔獣はいわば本能的に人間に襲うが奴等は快楽を求めて殺しをおこなう。人間はどんな生き物よりも残酷になれるんだろう。
その後も何人の子供たちがアリーナに入っていくが皆無残な死を遂げた。
「次はお前だ、アリーナに入れ」
僕の番が来たか。レンに「がんばって♪」と言われ僕はアリーナの入り口に向かう。
「僕の相手はあいつか」
僕の目の前に立っていたのは細長い筒を体中につけた男だった。
「小僧、俺はお前を殺し今度こそ鉄血宰相の首を取る。悪く思うな」
こいつはそうだ、1年前に爆弾を体に巻きつけてパルフレイム宮殿に乗り込んだ反革新派のテロリストだ。体中に巻いた爆弾で自爆テロを行おうとしたが失敗して逃
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