第12話 守りたいもの
[3/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ど唯貴方に興味があったの」
「興味?」
興味って僕に一体何があるって言うんだ?
「貴方、今まで二回もここから脱走しようとしたんでしょ?どうしてそんな事をするの?」
「そりゃこんな所に居たくないからだ」
「でもそのうち一つは誰かを助けようとして失敗したんでしょ?」
何故そんな事を知ってるんだ?そういった情報は子供達には伝わらないはずなのに。
「ふふッ、どうしてそんな事を知ってるのかって顔をしてるわね」
僕の心情を見抜いたのか少女……レンはからかう様に笑う。
「見張りのおじさんに教えてもらったのよ」
「奴等が情報をベラベラ喋ったのか?」
「私は『お願い』したのよ、特別な……ね」
お願い?あの子供を虐待するのが生きがいと言ってる様な奴等が唯のお願いでそんな事を喋るか?
「それで君は何が言いたいんだ?」
「おかしいって思ったのよ、ここから逃げようとしてる癖にどうして他人を助けたの?そのせいで結局掴まったみたいだし何だか矛盾していないかしら?」
「それは……」
レンの質問に僕は何も答えれなかった、彼女の言うとおりさっさと逃げてれば良かったんだ。でも僕はそのチャンスを潰してしまった。
「……昔の話だ、もう同じ失敗はしない」
「ふ〜ん、まあいいわ。話してくれてありがとう、それじゃあね」
レンはそういって立ち去っていった。しかし何だったんだろうな、あの子は。
ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー
「今日は戦闘力の実験をしてもらう。本来なら魔獣を相手してもらうがいつもそれだと退屈だろう、そこで今回は『こいつ等』に相手をしてもらう、出て来い」
男が指示をして奥の鉄格子から数人の男性が入ってきた。
「なるほどこいつらが……」
「本当にこいつ等を皆殺しにすれば自由になれんだろうな?」
「……俺は女を殺したい」
……どう見ても唯の一般人じゃないな、明らかに全員が人を殺した事のある目をしている。
「彼らはゼムリア大陸で強盗殺人や無差別殺人を起こした凶悪犯達だ、逃げている所を我々が保護をした。今回はお前らとこいつ等でデスマッチをしてもらう」
今回は殺人鬼が相手か、ふと周りを見ると子供達は皆不安そうな表情を浮かべている。魔獣と違い自分と同じ『人間』同士の殺し合い……つくづく個々の連中はいい性格してるよ。
「ルールは単純だ。一人ずつ入ってもらい一体一で殺し合い生き残った方の勝ちだ、実に単純だろう?まずはお前からだ」
男に指示された一人の男の子は一人アリーナへと入っていった、僕達は上の階からその様子を見ている。
「ほ〜。俺の相手
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ