第12話 守りたいもの
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りながら部屋を出て行った、どう見ても鞭を持った男のせいであの子は錘を落としたのは誰が見ても明らかだ、だが誰も何も言わない。
ここでは奴らがルールだ、奴らの気まぐれで何人も死んだのを僕は見ている、自分達は唯のモルモットに過ぎないんだ。
でもいつまでもこんな状況に甘んじてるつもりは無い。必ずここから脱出して皆の下に帰る、その為に何があっても僕は生き残る……!
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今日の実験が終わり僕は一日二回あるご飯にありついていた、この施設では一日に二回食事がある、大体が起きて直と実験が終わり就眠する前の二回だ。まあこの施設には時計も無いしここに来てから一回も外の様子を見たことがないから朝飯なのか夕飯なのかは分からないけどね。
「………」
カビの生えたパンと塩を少し入れたスープ……いや塩水を食しながらどうやって逃げ出そうか考える。
ここに来てからもう二回逃げ出そうとした事がある、一回目は見張りの隙をついて、二回目は実験中に事故が起こりそれに便乗して逃げようとした。
結果は惨敗、最初は出入り口を探していて見つけられず掴まった、二回目は地形を把握していた為後一歩で逃げ出せたかも知れなかったが途中事故に巻き込まれた一人の子供を助けて掴まった。
子供を遊び感覚で殺してしまうような奴等だ、中には女の子に性的暴行を加えるような奴もいるらしい。普通なら殺されてたかも知れないが、僕はここの責任者である『先生』のお気に入りらしく殺されるのは免れた。そうとう殴られたけどね……
でも僕にそんな事は関係ない、殺される危険が他の子供より低いのはありがたい。そろそろこの施設の内部構造は把握できた、次で決着をつける。
「うふふッ、そんな怖い顔をして何を考えてるの?」
…何だ、誰かが声をかけてきた…?そんな事ここに来て初めての事だ、僕は顔を上げて声をかけてきた人物を見る。
僕に声をかけてきたのは菫の花のような淡い紫の髪の小さな女の子だった。だが俺は彼女の顔を見て硬直してしまうくらいに驚いてしまった。
(エレナ!?)
そう、その少女の顔はエレナに似ていた。一瞬その名を呼びそうになったが、僕は彼女が息絶えるのを目の前で見ていた事を思い出して出そうとした声を飲み込んだ。
「………」
「あら、レディが声をかけたのに無視だなんて失礼よ?お名前くらい教えてくれても良くないかしら」
「……リィンだ」
「そう、私はレン。貴方の先輩になるのかしら、取り合えず宜しくね」
何だこの女の子は?こんな状況でよく笑みなんて浮かべていられるな。
「それで、僕に何か用なのか?」
「用がある訳じゃないけ
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