第12話 守りたいもの
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side:リィン
この施設に来てから何日が経ったんだろうか、僕は今日も『D∴G教団』の実験と言う名の拷問に耐えていた。
「おらッ、ちんたら走ってると死んじまうぞ!」
鞭を持った男が鞭で地面を叩き威嚇してくる。今僕は後ろから迫ってくる巨大な鋸から逃げている所だ。何でこんな事をしているかというと、奴らが完成させようとしている『グノーシス』の効果で身体能力がどれほど上がったかを調べる為で今は持久力を調べているらしい。
「うわあッ!?」
僕の隣にいた子供が足を躓かせたのか倒れてしまった、僕以外にここに連れてこられた子供の一人だ、この施設では定期的に子供が誘拐されてくる、もう何人が死んだのか覚えていない。
「た、助けて……!」
僕達が走ってるこの床はベルトコンベアーのように動いている、だから転べば最後には……
「がアああアあぁッ!?」
鋸にバラバラに切り刻まれてしまう。そんな子供を見ても誰も何とも言わなかった、助けようともしなかった、そんな余裕などないからだ。
「ごめん……」
それは僕も例外じゃなかった。何人も死んでいくのを見て次は自分がああなるんじゃないかと怖くなってしまう、だから自分の事で精一杯だ。
何も出来ない無力な自分に嫌悪しながら今日も生き残るために走り続けた。
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「はぁ…はぁ…」
持久力の実験が終わってもすぐさま新たな実験に移される、今度は耐久力の実験で重い錘を持たされて何十分も立っていた。
両腕で錘を支える、少しでもずらせば落としてしまう、勿論実験終了までに落とせばどんな目に合うか分からない、そんな恐怖に耐えながら誰もが必死で錘を持ち上げていた。
「ほう、結構頑張るじゃねえか、ならもっときつくしねえとなぁ!」
男は持っていた鞭で近くにいた子供を叩く、子供は痛みで体が震えている。
「や、やめて…」
「あ〜ん?聞こえねえな〜?もっとハキハキと喋りやがれ!」
子供の制止を訴える声を無視して何度も子供を叩く男、そして遂に耐え切れなくなり錘を落としてしまった。
僕達が持っている錘は四角形の板のような錘でそれが子供によって乗せられる数が違う、一つが10kgで僕は10枚、あの子は2枚持っていた。その錘が子供の足に直撃した。
「ギャアアアッ!?」
子供は潰れた足を押さえながら辺りを転げまわる、するとさっきまで鞭で子供を叩いていた男が突然子供を蹴り飛ばした。
「このゴミが!誰が錘を置いていいと言った!てめぇは懲罰室行きだ、連れて行け!」
別の男が今だ叫び続ける子供を引きず
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