月下に咲く薔薇 20.
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な紙が広げられている。手際のいい者が、時系列の行動表を作るところにまで進めていた。
元々、借りた車やケーキの材料などを心に留めている女性中心の集まりだ。自分達が出来る事についての行動は迅速で、人の集まりも悪くはない。
グランナイツ、21世紀警備保障にルナマリアと、昨日出掛けた女性達はドロシーを除く全員がサロンに顔を揃えていた。一方の男性陣は、青山にデュオ、アレルヤ、刹那、ティエリア、そしてミシェルと、意外にも半分以下に留まっている。
「男の数が少なめでしょ」と、琉菜が肩を竦めた。
「トレーニング中か?」善意の解釈をするクロウに、「まさか」と半眼の彼女が呆れぎみに首を横に振った。「赤木さんや斗牙達は、みんなダイグレンに行ってるみたい。例の月。あれがお目当てなの。さっき、ドロシーが呼びに行ってくれたわ」
クロウ達は、ほぼ同時に乾いた笑みを発する。奇しくも、いぶきや琉菜を振り回す彼女達の苦労を共有した気分だ。
壁掛けの時計が、見覚えのある時刻を針で示した。昨日、正にこの時刻に買い出し隊の集合が行われていたのか。使っている部屋は違うものの、窓から入る低めの陽光は昨日の出発前を嫌でも想起させる。
「あ、いいところに来たわ」ようやく上体を起こしたミヅキが、持っていたペンを置くと立ったまま手書きの行動表を垂直に指す。「ロックオン達も、足らないところにどんどん書き加えて。結構一緒にいたでしょ。特にクランと」
「ああ」
一体、どれだけの内容が記入されているのだろう。2人で行動表を覗き込むと、紙のサイズに不似合いな程、2色に分けられた文字域が各項目を埋めつつ表を縦に貫いている事がわかった。
クランの行動は赤いペンで、中原の行動は緑のペンで、様々な字体が30分単位の枠内に踊っている。多人数の記憶を寄せ集めた結果は、たった20分で一つの形を成し始めていた。
印象深い行動さえ取りこぼしていたクロウ達とは大違いだ。
ガンダムマイスターの接近に気づき、表に見入っていたミシェルが顔を上げる。
「俺が思い出したところは全部書き込んでおいた。もし、他にも思い当たる事があったら、どんどん自分で入れてくれ」
幸い、ミシェルの表情には覇気が戻っていた。未だ無理をしている部分も少なくないのだろうに、眉間の皺は取れ、脳が高回転で記憶の再生に集中している様子が伝わってくる。
当然、ショッピング・モール内での密談やクロウ達の部屋で行ったやりとりについても、既に彼が書き込んでいた。
「後、何かあったか?」
思わずロックオンに訊きたくなる程、雑談レベルの洗い出しまで済んでいる。
雑談レベル。
クロウとロックオンは、同時にミシェルを見つめた。
当人も、その意味を悟ったのか小さく頷く。
「ちょっと気になる時間帯があったんだ。まず1カ所」
ミシ
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