第73話 第二次ダゴン星域会戦 その2
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急速反転を始めると、流石に副司令官、参謀、副官達からも攻められ、命令にしたがい急速反転を行い撤退に入った。
終始ビッテンフェルトは床を蹴りながら悔しがっていた。
宇宙暦795年 帝国暦486年 3月19日
■自由惑星同盟 ダゴン星域
メルカッツ艦隊では、帰投してくる、ビッテンフェルト、ブラウヒッチ、エルラッハ艦隊を護かのように殿を勤め後退していく。その動きに同盟軍は当初ついて行けなかった。何故なら帝国軍の先陣がシュワルツ・ランツェンレイターで有る以上猪突猛進してくる事が普通であると、リーファが想定していたからであり、まさか皇太子の死により撤退するとは思っていなかったからである。
その為に初動が遅れ、さらに、メルカッツ艦隊が残り、殿を勤めるような動きをしたため、釣り野伏せがばれたのか、此方の艦隊を誘っているのかを確認するのに時間がかかり、さらに帝国軍の撤退が確認された後も釣り野伏せ中の艦隊を暗礁空域から出撃させるのに時間がかかり、更に五月雨式の追撃になると各個撃破される可能性が出たため、纏まるまで待機した為でもあった。
宇宙暦795年 帝国暦486年 3月19日
■自由惑星同盟 ダゴン星域 同盟軍総旗艦ペルーン
「全敵艦隊急速反転、ティアマト方面へ向かっています」
オペレーターの声が響き渡る。
司令部の全員が驚く。
「擬態ではないのか?」
「15000隻の艦隊はその場に留まりながら、先行する艦隊を帰投させる様に見えます」
「どう思うかね、准将?」
ボロディンの質問にリーファが可笑しいと思いながら、想定される事を考えていた。
「司令長官代行、幾つか考えられますが、第一に釣り野伏せがばれた、第二に突出が組織的ではなかったので帰投命令を強制的に命じた、第三に帝国で何か有った」
その言葉に、ボロディンもコナリーも考え出す。
「んー、確かにあの動きは可笑しい」
「確かに」
其処へワイドボーンから連絡が入る。
『閣下、敵艦隊の動きが変です』
「此方もそれで悩んでいる」
『ヤン准将からですが、帝国軍に何か重大な事が起こったのではないかと』
「その可能性も考えて居るのだが」
「ワイドボーン准将、少し戻って挑発してみてください」
リーファの言葉にワイドボーンがやれやれと言う顔をするが、敬礼して了承する。
『了解しました。一寸行ってきます』
「お願いまします」
こうしてワイドボーン艦隊が再度進撃し挑発したが、15000隻の艦隊は突出せず追い払うような雰囲気で長距離砲撃行いだけであった。
その結果、帝国軍が何をしようとしているのかもよく判らないまま、敵艦隊が合流したが、その直後に敵艦隊は大量の機雷をまき散らしながらティアマトとイゼルローン方面へと撤退を開始し
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