第73話 第二次ダゴン星域会戦 その2
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宇宙暦795年 帝国暦486年 3月19日
■自由惑星同盟 ダゴン星域 同盟軍総旗艦ペルーン
「敵艦隊、6000隻、更にその後方に1万5000隻程の艦隊が続行してきているようです」
敵艦隊の吊り出し第二幕に艦橋オペレーターの顔に再度喜色が見える。
「敵艦隊の第一波と第二派とはどの程度の距離を持って続行しているか?概算で良いので時間的感覚で教えてください」
リーファの質問に航法士官が素早く計算を行う。
「凡そ、20時間強です」
その言葉に、リーファは唸る。
「御苦労、んー近いな」
「准将、どうしたのかね?」
ボロディン大将とコナリー中将が不思議がってリーファに尋ねる。
「はい、数が中途半端すぎるんです。それに時間が短い」
「どう言う事ね?」
「はい、本来なら主力はダゴン星域で待機し。敵が来れば迎撃し、来なければ別働隊によりイゼルローン回廊出口で威嚇行動を取らせて補給路が切れると不安視させれば、勝手に帰って貰う予定でしたが、よほどティアマトの居心地が良いのか中々帰らないので、お迎えにワイドボーン艦隊を向かわせたんですけど、最初にかかったのが6000隻でいいのですが、次ぎに15000隻という中途半端な数が来た訳です。結果ティアマトとイゼルローンで30000隻が残ったために、第三、第十艦隊が動けないわけでして、片手落ちになりそうです」
「それでも21000隻を撃破すれば良いのでは無いかな?」
コナリーの言葉に多くの参謀が頷くが、リーファにしてみれば、次ぎに来たのが、ラインハルトの場合此方の方が各個撃破の的になりかねない事を危惧しているのであった。
「それに此方は36000隻だし、各個撃破は可能だろう」
そんなやりとりの最中にオペレーターから報告が入る。
「敵艦隊第一警戒ラインを突破せず、急速反転して行きます」
「なんだって!」
「なに!」
ペルーン艦橋に衝撃が走った。
宇宙暦795年 帝国暦486年 3月19日
■自由惑星同盟 ダゴン星域 帝国軍メルカッツ艦隊旗艦レーゲンスブルク
猪突猛進するメルカッツ艦隊にイゼルローン要塞、ミューゼル艦隊、通信中継艦を経由してオーディンから秘匿緊急通信が入った。
通信相手は軍務尚書エーレンベルク元帥であった。
「メルカッツ提督、緊急事態が発生した」
「エーレンベルク元帥の顔には焦りが見えた」
「軍務尚書、いったい何が起こりましたか?」
「皇太子殿下が急死なされた」
「なんと」
メルカッツにとってみれば、皇太子殿下の死は信じられない状態で有った。
「皇太子殿下の死により、後継者争いがおきる可能が出てきている。何と言っても卿の艦隊しかまともな艦隊が存在しないのだから、このまま不在で行けば良からぬ事を考える輩が
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