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転生とらぶる
Fate/stay night
1163話
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の前で消えてもおかしなところはないってところか。

「それで、どうだったの? 何だか確認したい事があるって話だったけど」

 そんな凛の質問に、首を横に振ってから口を開く。

「この機体、ニーズヘッグっていうんだが、この機体にもシステムXN……異世界に転移する為のシステムが搭載されてるんだよ。けど、そのシステムが機能していない。ゲートを空間倉庫から取り出す事も出来なくなっているってのを考えると、間違いなくサーヴァントになった影響だろうな」
「つまり?」
「簡単に言えば、俺は自分の力だけで自分の世界に戻る事が出来なくなっている」
「……なるほど、ね」

 チラリとニーズヘッグのあった場所を一瞥すると、凛は特に驚いた様子もなく頷く。
 まぁ、サーヴァントってのは英霊の分霊という形である以上、普通なら聖杯戦争で負ければそのまま座とかいう場所にいる本体に戻るらしいけど……俺の場合は本体そのものが受肉してサーヴァントとしてここにいるからな。
 負けて元に戻るってのは考えない方がいい。
 いや、もしそれが可能だったとしても、自分が消滅するかもしれないリスクを冒してそんな真似はしたくないし、何よりも自分が負けるのを前提とはしたくない。

「じゃあ、アクセルはまだこの世界にいるって事だな?」

 俺と凛の話を聞いていた綾子の言葉に、頷きを返す。

「そうなるな。ま、どのみちホワイトスターに帰れるとしても聖杯戦争を投げ出すつもりはなかったけど」

 聖杯……さて、あれをどうするべきか、だよな。
 10年前の第4次聖杯戦争では、ほんの少しでも新市街を焼き尽くした大火災を引き起こした。
 原作での金ぴかの話によると、あれを全部使えば10年前と同じ事を、地球上の殆どを燃やしつくす規模で出来るらしい。
 ……まぁ、そもそも小聖杯の……あ。
 やばい? もしかしてこれって本気で不味くないか?
 本来であればイリヤの心臓が小さい聖杯であり、金ぴかはそのイリヤを殺してワカメにそれを埋め込み、聖杯とした。
 けどこの世界だとワカメはもう死んでいるし、何より最大限に不味いのはバーサーカーが既に死んでおり、あの金ぴかが襲ってきても、ポンコツと契約して能力が著しく落ちているセイバーと、こっちはワカメの代わりに本来のマスターと契約して能力の上がっているライダーしか守るべき戦力がいないって事だ。
 普通の相手であれば、サーヴァントが2人もいれば問題ないんだろうが……今回の場合、相手は金ぴかだからな。
 既にランサー、バーサーカー、キャスター、アサシンが死んでいる以上はイリヤの限界と言われている4人のサーヴァントの魂を既に収めている状態だ。
 だとすれば、これ以上サーヴァントを殺せばイリヤの人間としての機能に悪影響が及ぼされる事になる。
 
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