第2部
第8話 お前に最高の○○○を与えてやるッ?? 前編
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真っ赤だよ?」
「な、……なんでもねぇよ……」
雑誌を背後に隠しながらビクビクする木曾を隼鷹が笑った。
「ひっひっひっ……で、どうしたよ一葉。
あたしと一杯やりに来たかい?」
「いやいや真昼間に何してんだよ……いやそうじゃなくて、先日の盗難事件でね。
あの日、何か変わった事なかった? 小さな事でも良いんだけど」
「いんや、あたしはあの日木曾と一緒に哨戒任務に就いてたからねぇ。
悪いけど力になれないねぇ。
……ああ、ならさ〜木曾に手伝ってもらったらどうだい?」
「え?」
「ひぅ??」
肩を落とし残念そうに苦笑いする隼鷹の提案に、木曾が素っ頓狂な声を上げてたじろいだ。
「う〜ん……木曾姉ぇが暇なら有り難いけど……」
「な、なん、隼鷹手前ぇッ??」
「はっはっはっ〜〜ッ??
上手くやりなよ木曾っち〜ッ?? 」
残像を残しながら目の前から消えた隼鷹に向かって何かを言おうとする木曾は、見た事もないくらいに狼狽えていたのは言うまでもない。
???
(うう……なんでこんな事に……)
仕方なく一葉を手伝う事になった俺は、一葉と一緒に鎮守府内で調査をする羽目になった。
とはいえ、アテがあるわけじゃないから虱潰しに話を聞くしかない。
先ず最初に犯人候補に挙がったのは、第1艦隊の赤城だ。
赤城は艦載機の維持にボーキサイトを使用する為、特によく食べる。
以前にも何度か資材庫のボーキサイトを摘み食いして以降、提督から資材庫への立ち入りを禁じられていた。
その為真っ先に赤城を疑ったが、赤城を含む第1艦隊は2日前……事件の日から呉鎮守府での教導任務を命ぜられていた為、犯行は不可能。
次に容疑を掛けられたのは戦艦棲姫・大和。
大和型は戦艦級の中でも桁違いの資材を消費する。
だが大和は事件の日に明石の検診を受けており、明石の証言も取れている。
鎮守府の一角にある喫煙所のベンチに2人で腰掛け、未だ照りつく太陽から逃れるように日陰でラムネを呷りながら、2人で溜息を吐いた。
「木曾姉ぇ、そのマント暑くないの?」
「……ああ、うん……暑い」
「……なら脱げばいいのに……」
「……一応正装なんだよ……」
傾けたラムネ瓶の中で、ビー玉がカラカラと鳴る。
そのままラムネ瓶を弄びながら、朴を伝って落ちる汗を拭う。
「……一葉は、さ……この服は嫌いか?」
「は?」
「いや、その…………俺、着飾った事とか……そもそもこの服しか無いし……」
「ん〜……そうだなぁ……」
まじまじと凝視する様に頭の天辺から足先まで、何度も繰り返し見返しながら、一葉は顎に手を当てて唸った。
「うん、可愛いと思うよ?」
「へ……?」
「そもそも木曾姉ぇは素が可愛いんだから、なに着ても似
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