第2部
第8話 お前に最高の○○○を与えてやるッ?? 前編
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ああああああああああああああッ??」
小型コンテナの向こう側、壁に取り付けられた、こじ開けられた整備用ダクトと、其処から覗き蠢いている黒髪の女の顔半分だった。
???
2日後 10月7日
鹿島鎮守府
リンドヴルム 提督執務室
「ふぅ〜〜む、どうしたもんか」
秋に突入しかけ、肌寒さを感じ始めた時期。
鹿島鎮守府に停泊したリンドヴルムの執務室で、俺はソファに寝そべり溜息を吐いた。
「んん……提督、どうしました?」
「ああ、この前起きた資材盗難の件でな。
というか野分、なぜお前はパジャマ姿で俺の上で寝てるんだ」
「サービスですよ、サービス。
最近は肌寒くなってきましたから、こうして提督を温めてるんですよ……」
「誰かに見られたら死ぬよね俺。
姉さん達とかラトロワとかまりもとか、まりもとか、まりもとかに見られたら絶対まずいよな。
最悪第三次世界大戦が始まるぞ」
「そうなったら提督と一緒に逃げます」
のそのそと着替えを始める野分を完全に視界から外し、机に放り出された書類を掻き集めて1枚づつ捲っていく。
2日前、資材保管庫の試作資材備品室を荒らされた事件についての報告書だ。
痕跡無し、証拠無し、発見者の証言も碌な証拠にならない為、犯人の特定は困難だ。
「仕方ない、鎮守府から洗い直すか……ちょっと鎮守府に顔出してくる」
「御一緒します」
「いや、野分は書類整理を頼む。
顔出してくるだけだから大丈夫だ」
「で、でも……」
「大丈夫だって、じゃあ後で」
残念そうに項垂れる野分の頭を撫でながら制服に袖を通し、菓子折りを片手に部屋を出た。
???
鹿島鎮守府 艦娘寮棟副棟
艦娘専用部屋 憩いの間
鹿島鎮守府には出撃予定の無い艦娘の慰安の為、艦娘寮棟の隣に旅館のような施設が併設されている。
出撃予定の無い艦娘や夜間哨戒任務の艦娘、帰投した艦娘に開放されており、旅館としての機能……温泉やサウナ、間宮の甘味庵、購買などが内部に軒を連ねている。
それらの運営も特定の艦娘達自身が運営しており、中には交代制で店番をしたり、自主的に開業し、運営を行っている艦娘も居る。
「はぁ……」
その旅館の一室、艦娘の休憩室になっている憩いの間の一角で3つ並ぶ長机に座るうら若い女性がため息を吐いた。
球磨型軽巡洋艦5番艦、木曾である。
現在は艤装改造により雷装巡洋艦として第一線で活躍する彼女であるが、その勇猛果敢な姿は今は見る影も無く、憂鬱そうな顔を浮かべながら項垂れていた。
「あん?木曾じゃないか、どうしたよ湿気た面ぶら下げてさ」
「ああ……隼鷹か……こんな昼間から飲んでるのか……」
「まっさか〜、ビールは酒じゃないからシラフだよ〜〜、ヒャハハハッ?
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