二十二話:Fate〈運命〉
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間とも思える時間が経った後に闇の書の意志が海面近くでその動きを止める。
(今だ、アリア!)
「悠久なる凍土、凍てつく棺のうちに」
「なん…だ?」
突如として現れた新手の姿に戸惑いを見せる闇の書の意志と少女二人。
だが、そんなことは関係なく、見る見るうちに海面は凍り付いていき闇の書の意志の足を凍らせていく。
このまま詠唱が完成すれば闇の書は永遠の眠りの淵につく。
……多くは望まなかった、誰よりも優しい少女の人生と引き換えに。
「永遠の眠りを与えよ―――」
「させるかッ!!」
「―――なっ!?」
最後の一節を唱えようとした彼女の体が死角より訪れた青色の魔力弾により弾き飛ばされる。
そして、一切の抜け目なく思考の空白を狙ってのバインドをかけられてしまう。
後少しのところで邪魔をされた怒りでアリアは顔を隠しているのも忘れて自身を攻撃した相手の名前を叫んでしまう。
「よくも―――クロノッ!」
「暴走が始まる前の主は一般人だ。だから、君の行為を許容することはできないよ、アリア」
憎悪にも等しい感情を向けられながらもクロノは冷静に言葉を告げる。
本来であれば父親の敵である闇の書を恨んでもおかしくない。
実際、かつては恨んでいたこともある。だが、父がなぜ命を賭したのか。
以前の闇の書の事件で命を投げ出したのか。その理由を考えれば恨みは消えていった。
父、クライドは己の命をもって愛する者を、名も知らぬ守るべき者を救いたかったのだ。
その気高き心を息子である自分が憎しみで穢していいはずがない。
クロノはクライドの意志を継ぐ者なのだから。
「クロノ!」
「それに……どうして? アリアさん」
突如訪れた急展開に思わず闇の書の意志から目をそらして二人の方を向くなのはとフェイト。
できれば説明してやりたかったがその時間もないので素早く状況からアリアの目的を推測していくクロノ。凍り付いた海に凍りかけの闇の書の意志。
それだけで十分だった。
「闇の書を極大の凍結魔法で永久凍結して封印する。……それが君達の目的か」
「そうよ。終わらぬ連鎖を終わらせる切り札。それがデュランダル」
「だが、それはさせない。必ず別の方法はあるはずだ」
自分たちのやり方に従えと暗に告げるアリアの言葉を一蹴するクロノ。
そんな姿にアリアは悲しみの表情浮かべて俯く。
疑問に思うクロノの耳に懺悔の言葉が入ってくる。
「ごめんなさい……切嗣。結局、最後も―――あなたにやらせることになって」
「『ピースメイカー』ロック解除」
『Mode Launcher.』
まだ、敵は残っていたと自分の不覚に歯ぎしりしながら振り返るがもう遅い。
切嗣は既にロケットラン
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