ゼロの使い魔編
プロローグ
赤き英雄
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バカナ……アリエン……
赤く染まった大地の上に赤く染まった男が立っている
ヒャクヤセンドコロデハナイ……
大地を染めているのは、夥しい数の死体から流れ出ている血
マンヲコエルシトヲ……
死体には、まるで墓標のごとく剣が突き刺さっており
タッタヒトリデホロボスナド……
その剣の墓標に一人立つ男は、まるで剣に傅かれている王のようであり
ニンゲンデハナイ……
また、剣を向けられ、今にも断罪の剣で裁かれる前の、死を待つばかりの罪人のようでもあった
コレデハ……マルデ……
しかし、この光景を何も知らない人が見たのならば、皆が皆、最初に思い浮かぶ言葉はそのどれでも無く
エイ……ユウ……デハナ……イカ……
英雄だと思わせるものがそこにはあった。
赤く染まった男を見ると、その身体には今生きているのが不思議なほどの傷を全身に負っていた。
擦傷、刺傷、銃創等様々な傷で覆われ、傷からは夥しい量の血が流れ出て、男をさらに赤く染めていた。
平時では、灰色に染まった髪を逆立て、赤い外套と甲冑に身を包み、鷹のようなその眼光を輝かせ、なめし革のようなハリとツヤをもった浅黒く染まった身体が、その身にまとう赤い外套よりも赤い血に染められ、力なく立ち尽くしていた。
死にかけたことは何度と無くあった、死んだ事もあった。だからこそ、自分がもう助からないということがハッキリと理解できている
頭をよぎるのは、今までの人生で出会った様々な人達の顔
……もう……ダメか……
……遠坂……桜……ルヴィア……
自分を鍛え、教え、支えてくれた者達の顔
……イリヤ……藤ねえ……
血は繋がっていなくとも、強い絆で結ばれた家族の顔
……橙子さん……青子さん……
世界を歩くうちに出会った様々な人
……くっ……
しかし、その世界中で出会った人々の中で、頭に浮かぶのは全てが女性であることに気付き
……クックックック……
なぜか笑いがこみ上げてきた、理由は分かっている。頭に思い浮かんでくる彼女たちが色々な意味で記憶に残る女性だからだ
……志貴さん……あなたのことを笑えないな……
思い浮かぶは、自分に近くそして遠い男、笑いあったこともあれば殺し合ったこともあった男
赤く染まった世界に一陣の風が吹き、その風により赤く染まった男が倒れようとした先に、まるで光でできた鏡のようなものが現れたことに、男は気づかない
……セイバー……
そのまま倒れていく男の体は、その鏡のようなものに飛び込んでいき、そのまま鏡の中に吸い込
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