第四章
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「着るチルプイの色も変わりますよ」
「そうなんですか」
「そうです、ですから」
それでというのだ。
「楽しみにしていて下さいね」
「そういうものですか」
ザビーネは女の人の話をどうにもわからなくてだ、首を傾げさせていた。それはアイーダも同じだった。だが。
ザビーネはだ、それから二年経ってだった。そして。
自分が結婚してだ、アイーダから結婚の時のチルプイにだ、ネックレスも付けてエグメも付けてあの時の姉と同じ姿になってだ、その姉にこう言ったのだった。
「二年はね」
「あっという間だったわね」
「ええ、それに私もね」
「その服着たわね」
「着られるなんてね」
それこそというのだ。
「信じられなかったけれど」
「それでもよね」
「今こうして着ていて」
そしてというのだ。
「二年もね」
「ええ、二年はね」
「本当にあっという間だったわ」
「そしてその二年の間に」
アイーダはここでこうしたことを言った。
「私子供出来たし」
「今もお腹の中によね」
「ええ、そうよ」
アイーダは自分の腹を優しく撫でながらザビーネに応えた。
「いるわ」
「そうよね」
「だから貴女もね」
「若しかしたら」
「すぐによ」
それこそというのだ。
「出来るかも知れないわ」
「こうしたことは授かりものだからわからないけれど」
「私もお母さんになっていくのね」
「そうなっていくと思うわ」
自分の様にというのだ。
「やがてね」
「そうよね」
「けれど本当にね」
「ええ、二年はね」
「あっという間だったわね」
「本当にね」
二人で話した、そして。
ここでだ、ザビーネはこうも言ったのだった。
「じゃあ私この服を着て」
「そしてよね」
「式に出るわ」
「今日は貴女が主役よ」
花嫁である彼女がというのだ。
「華やかにね」
「この服を着て」
「出るのよ」
「わかったわ、そうしてくるわね」
「そしてね」
こうも言った姉だった。
「二人でこれからもね」
「歳を取っていって」
「生きていって」
その中でというのだ。
「色々な色のチルプイを着ていきましょう」
「そうね、チルプイは歳によって着られる色が違うから」
「歳を重ねていってね」
「色々なチルプイを着ていくのね」
「二人でよ」
即ち姉妹でというのだ。
「そうしていくわよ」
「わかったわ、じゃあね」
「二人でね」
「そうしていくのね」
「そしてそれはね」
姉はさらに言った。
「私達だけじゃなくて」
「私達の家族と一緒に」
「そうしていかないとね」
二人は既に妻、そして母親になっていた。そのうえでこれからのことをチルプイと共に話していた。自分達の服が変わっていくことについても。
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