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レインボークラウン
第二百八十一話

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      第二百八十一話  氷を使うこと
 氷を出してみてだ、春奈は使い魔達に言った。
「氷がお水の中にあるわね」
「はい、確かに」
「あります」
 その通りだとだ、イーとリャンも答える。
「ただ、かなりです」
「お水の温度が冷えていてです」
 中に氷が入っているのだ、それだけに相当に冷たくなっている。イーとリャンもそのことを感じながら春奈に言う。
「私達には少し」
「どうにも辛いものがあります」
「それだけ冷たいということですが」
「そのことがどうも」
「ええ、前にもお話したけれど」
 あらためて言う春奈だった。
「あまり使わない様にするわ」
「そうして頂くとです」
「私達にとっては何よりです」
「それでね、それにね」
「それに?」
「それにといいますと」
「今は出している範囲が広いから」
 ステッキから水を出しているだ、その範囲がだ。
「それも何とかするわ」
「出す範囲を狭める」
「そうして頂けますか」
「そうしたら冷たさが周りにいくのが減るから」
 水を出す範囲を狭めればそれだけというのだ。
「そうしてみるわね」
「申し訳ありません、気を使って頂き」
「まことに恐縮です」
「いいのよ」
 微笑んでだ、春奈は自身の使い魔達に応えた。
「私達はいつも一緒だから」
「それで、なのですか」
「そうして頂くのですか」
「気遣い」
 春奈はこの言葉も出した。
「それも忘れるって先生達にもお兄ちゃん達にも言われてるから」
「有り難うございます」
「それでは」
「そうするわね」
 こう言って実際にだった、春奈は水を拡散させて出すやり方から狭めて出した。そうして使い魔達に気を使って水を出すのだった。
 そしてだ、イーとリャンに尋ねた。
「これでいいわね」
「はい、これでです」
「私達は大丈夫です」
 使い魔達は微笑んで主に応えた、春奈のその気遣いが嬉しくてそのうえでだ、感謝の感情も抱いたのである。


第二百八十一話   完


                        2015・10・21
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