第十一幕その一
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第十一幕 ダイオウグソクムシ
遂にです、この日が来てでした。研究室に遊びに来ていた王子はトミーと一緒にこれから動物の皆と一緒に診察に向かう先生に尋ねました。
「先生、緊張してる?」
「少しね」
今日はお抹茶を飲みながらです、先生は王子に答えました。
「やっぱりね」
「少しなんだ」
「実は緊張よりもね」
この感情以上にというのです。
「楽しみなんだ」
「これからの診察が」
「謎に触れられるからね」
だからだというのです。
「凄く楽しみにしてるんだよ」
「どうして何年も食べなくて平気なのか」
「そのことを知ることが出来るかも知れないからね」
「成程ね、だから緊張していても」
「楽しみなんだ」
この感情の方が大きいというのです。
「それもかなりね」
「そういえば先生のお顔は」
トミーは先生にお菓子を出しました、今日のお菓子は和風の三段セットです。上には和風の桃色のマシュマロ、真ん中には和風の中に枇杷が入っている透明のゼリー、下には褐色のお饅頭といったものです。
「とてもにこにことしてますよ」
「あっ、そうなんだ」
「本当に楽しみなんですね」
「実際にね」
その通りと答えた先生でした。
「今か今かって気持ちだよ」
「じゃあ飛んでいきたいですか」
「グソクムシ君のところにね」
是非にというのです。
「行きたいよ」
「そうなんですね」
「けれど焦っては駄目だから」
決して焦らない、先生の信条の一つです。
「だからね」
「ここは、ですね」
「うん、まずはお茶を飲んでね」
「このティーセットを食べてですね」
「行くよ」
これが先生の今のお考えでした。
「落ち着いて食べてね」
「いつも通りですね」
「何があってもティータイムは忘れない」
今日は日本のものですがお茶であることは同じです。
「その余裕があってこそだよ」
「物事は上手くいきますね」
「僕はそうl思ってるからね」
だからこそというのです。
「まずはね」
「はい、お抹茶を楽しんで下さい」
「そうさせてもらうよ」
「それにしてもね」
王子もお抹茶を飲んでいます、勿論トミーもです。王子はその奇麗な緑色のお茶を飲みながらこう言ったのです。
「このお茶最初飲んだ時はね」
「苦くてだね」
「びっくりしたよ、何だって思ったよ」
「お抹茶の苦さは独特だからね」
「紅茶なんかと比べものにならない位にね」
イギリスで飲まれているそれよりもです。
「だからびっくりしたよ、けれどね」
「今はどうかな」
「こうして普通に飲んでるよ」
それが今の王子でした。
「こうしてね」
「そういうことだね」
「うん、慣れるとね」
その苦い筈のお抹茶がという
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