14話 ソロモンの悪夢 UC0080 1.1
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た。
このまま行けば砲撃とモビルスーツ戦でソロモンに攻略の楔を打つことも可能だが、ワイアットが来ると両艦隊による攻略戦を余儀なくされる。
これだとティアンムの功績自体がかすむ。自分でも戦争は協力し、被害を最小限に収め目標を達成することが良いことが分かっているが自分のどこかにそれを許容できない自分がいた。
しかし、無理な戦闘を仕掛ける訳にもいかない。それは愚将のやる行為だ。兵の命を預かっている以上自分の功績の為に死ねと命令することはできない。後々の名声に響くことになる。
「・・・副官。ソーラーシステムのスタンバイは」
「はっ。命令後30分でソロモンを焼くことができます」
「そうか・・・已む得まい。ジャミトフより頂いたものを有り難く使わせてもらうとしよう。それでより少ない被害で済ますことも良将と呼ばれる所以だからな」
「かしこまりました。後方に通達!ソーラーシステムスタンバイ。中央部は敵に崩されたと偽装し両翼に軍を分配する。移動は20分で済ます。急げ!」
副官の命令により、ティアンムの本隊とその中央部が敵の攻撃による分断されたと思い込ませ、敵を油断させた。その動きにドズルが妙に思った。
「・・・おかしい、手ごたえがないように感じる。しかし、うまく連邦を2つに分断できた。これでビグザムで片方を抑えながらもう片方で火力を集中させることができる」
ドズルは司令部にて戦況モニターを見て一抹の不安を感じながらも各部署へ適切に防衛指示を出していた。
ドズルは連邦を犠牲を払ってもソロモンを防衛し切れば良いと考えていた。しかし物量の観点から長期戦ともなると弾薬ともにジオンにかなりの分の悪さを感じていた。
「ルナツーも同時攻略されていると聞く。兄貴からの増援が不明で、キシリアからの増援も要請したが、連邦の我が軍の中継基地の防衛に各軍が分散されて軍が出せないと言う。孤軍奮闘とはまさにこのことだ」
ドズルはそう愚痴をこぼした。
ドズルはなるべく短時間で効率よく各個撃破することに期待を込め戦端を開いた。
艦隊運用というものは半数近く失われれば指揮系統や士気の具合が途端に悪くなる。
ましてや連邦は陣容としても勝ち戦できている。そんな戦いに死にたいと思う兵士はいない。つまり無理な戦が連邦にはできない。する気がない。そこに付け入る隙があると睨んでいた。
そんな連邦に無理な戦をするような状況を作る。それには敵を分断し、一方の敵に火力を集中し出血を促す。それで決着が付くとドズルは考えた。
「まあ、一番なのはやはり先のルナツー攻略戦のように敵旗艦を捕捉、撃沈が一番効果的なのだがな」
ドズルはそう呟いた。ソロモンのジオン軍は既に退路を断ち、皆死兵と化していた。その士気の異常さ、苛烈さが連邦軍に恐怖を
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