14話 ソロモンの悪夢 UC0080 1.1
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* サイド1 宙域 ティアンム艦隊 UC0080.1.1 10:00
ティアンム艦隊の新年は戦場で迎えられた。艦隊司令のティアンムは度重なる敵コンスコン艦隊の妨害により、進軍が止まっていた。ティアンムのフラストレーションは爆発寸前だった。
「何故!・・・敵を撃退せしめない。我が軍はこれだけの大兵力だぞ。各分艦隊は何をしている!」
ティアンムは旗艦の艦長席でモニターに映る分艦隊司令を怒鳴りつけた。
各分艦隊司令らはこう発言をした。
「司令・・・敵は薄いようだが柔軟なゴムのような艦隊運動です。我々が各艦連携して動くに余りに大所帯過ぎて・・・」
「そうです。我々が目標地点に到達するときに敵は既にいなかったり、側面へ回り込まれたり・・・」
ティアンムは唸った。分艦隊司令らに功績を立たせるために、ソロモン攻略への士気向上を図るために各分艦隊の戦術レベルでの勝利を委任したことが裏目に出ていた。
最初は我慢した。そこまでの損害もなく、敵の迎撃艦隊もさほどの戦力でもなかったからだ。
敵迎撃艦隊の規模はティアンム艦隊の三分の一の戦力でも数の上では壊滅するに容易かった。よって前線指揮官にその撃退を委ねた。
コンスコンは大軍ならではの弱点を付いていた。少数精鋭で一撃離脱戦法を取り、それを10数隊に分けては継続的にティアンム艦隊の先方に餌を巻き誘い込み打撃を与える。違う隊はその伸びたティアンムの先方を側面から攻撃した。
ティアンム艦隊の個々での艦隊連動が悪すぎた。戦端を切ってから13日経つ。その被害もそろそろ軽視できないものになっていった。このままではジャミトフに笑われかねない。
ティアンムは全権を自分に戻し、艦隊を並行陣にして進軍を開始した。
最初から正攻法でこれでいけば良かった。
コンスコンもこの陣形で来られては奇兵奇策を弄す隙がなかった。
コンスコンは副官に「これまでだな」と言い、ソロモンへ後退していった。
ティアンムはホッと一息つけた。すると通信士よりティアンム宛に連絡が入った。
「司令。ジャミトフ提督からです」
「ジャミトフからだと・・・繋げ」
すると、正面の大型モニターにジャミトフの顔が映った。
「大分手こずったようですな中将。敵もそこそこやるということですかな」
「ふん。そうだな。貴官申す星間旅行というのは少々骨が折れるみたいだ」
ティアンムはジャミトフからの科白に嫌味で返した。
「そうですか・・・そこで中将。ひとつ私がプレゼントしたいものがありまして、ソロモン攻略にきっとお役に立てましょう」
「プレゼント?・・・まあ、くれるというのにもらわん訳にはいかんだろう。して何をだ」
「ソロモンはジオンの重要な拠点です。大兵力が待ち構えてい
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