暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
圏内事件
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食事をしていた。ここらへんの理由は長いので割愛しよう。

その食事中に悲鳴が聞こえたので、外に出てみると建物の二階の飾り窓から一本のロープが垂らされ、輪になったその先端に男がぶら下がっていたという。

NPCではない。その男は、分厚いフルプレート・アーマーに全身を包み、大型のヘルメットを被っていた。

ロープは鎧の首元にがっちりと食い込んでいたが、キリト達が恐怖したのはそこではない。この世界ではロープアイテムによる窒息で死ぬことはない。

恐怖の源は、男の胸を深々と貫く、一本の黒い短槍(ショートスピア)だ。貫通(ピアース)系武器は、通常の武器とは大きく違う特性がある。

それは《貫通継続ダメージ(DOT)》だ。

しかも、男の傷口から出る赤いライトエフェクトの量から考えて、どうやら黒い短槍は継続ダメージに特化した武器のようだった。

直後、男は無数のグラスが砕け散るような音とともに、青い閃光が走った。

爆散するポリゴンの欠片を視界の端で捉えつつ、キリトとアスナは周囲に視線を走らせた。

存在すべきもの──必ず出現しなければならないものを探すために。

すなわち《デュエル勝利者(ウィナー)宣言メッセージ》。

主街区の、つまりアンチクリミナルコード有効圏内で、プレイヤーがHPにダメージを受け、なおかつ死にまで至るからには、その理由は一つしかない。

完全決着モードのデュエルを承諾し、それに敗北すること。それ以外には有り得ない、はずだ。絶対に。

その時、必ずどちらかが死ぬのと同時に、勝利者の近くには『WINNER/名前 試合時間/何秒』という形式の巨大なシステムウインドウが出現する。

それを見れば、あの全身金属鎧(フルプレ)男を殺した犯人が解る。

そう思ったキリトは、即座に周囲に目を走らせた。

だが──

「なかった?」

「ああ。どこを探しても、な」

キリトは重々しく頷いた。

「……その、建物の中に隠れてたってことは?」

レンのどちらかと言えば、確認のために放たれた疑問に、あくまでも他人行儀でアスナが答える。

「建物内はくまなく探しましたし、何らかの手段を使って透明になって外に出たとしても、入り口に隙間なく人に立ってもらったので、出ようとしたときに自動看破(リビール)されます」

「なるほど」

若干の静寂。

レンはテーブルに置かれた黒く輝く短槍(ショートスピア)を指差した。

その短槍は、このカテゴリの武器には珍しく、全体が同一素材の黒い金属で出来ている。

長さは一メートル半くらいか、手元に三十センチのグリップがあり、柄が続き、先端に十五センチの鋭い穂先が光る。

特徴は、柄のほぼ全体にびっしりと短い逆棘が生えているこ
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