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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
ありふれた冒険譚◆初めての絶望、そして希望
第十四話 サチ
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。確かにあそこは敵が弱い割にコルも経験値も得やすいけどトラップが多いんだよな……。周りに気をつけて探索するんだよ?」
「了解、了解。」
臨時リーダーのテツオはそういうとみんなを連れて転移門から転移していった。


「僕たちも行くか。」
マルバとユキも転移門を使うと最前線まで転移する。いまだ拠点を持たないリズは常に最前線の層の主街区でハンマーを振るっているのだ。



「久しぶりね、マルバ。素材集めに出かけて以来顔出さないからどうしたかと思ったわよ。」
「あー、悪い。連絡入れればよかったんだけど、最近ちょっと忙しくてね、忘れてた。」
「ふうん、あんたいつも暇そうなのに。何してたの?」
「ちょっと中級者のレクチャーをね、二週間ほど。次のボス攻略って四日後だよね?」
「そうよ。参加するの?」
「うーん、間に合えば参加しようかな。ちょっとレベルが足りなさそうなんだよね……っと。今回はこれ、お願い。」

「うわぁ……なんでこんなに耐久値下がってるのよ。」
リズはマルバが差し出したチャクラムを見て愕然とした。
「いやあ、ここ二週間ずっと武器防御とか盾相手に攻撃とかしてたもんだから減りやすかったのかも。」
そう、マルバの使うチャクラムには特別なインゴットが使われており、尋常ではない耐久値上限を持つためそう簡単にメンテナンスが必要な状況にならないのだ。
リズは大事に使いなさいよ、とぼやきながらチャクラムを横に置くと、マルバに向き直る。

「それで、黒武……だっけ?その強化素材って集まったの?」
「あー……。あれね。忘れてた。ほら、これ。」
トレード画面を出して提示する。
「忘れてたってあんたね……。隠されたスキルが気になるんじゃなかったの?」
「いやー、それはね。ほら。」

マルバは『黒武』が装備されていることを示す画面を表示すると、可視モードにしてリズの方に向けた。リズがそれを覗きこむと、そこには……
「……体術防御スキル!?」
『体術防御スキルボーナス』という表示が『武器防御スキルボーナス』の表示の下に新しく加えられていた。

「うん、そう。体術スキルと武器防御スキル、あとなにかよく分からないんだけどなにかのスキルがそれぞれ熟練度600に達すると習得するエクストラスキルみたいだね。出現条件がまだよく分からないんだけど。」


『体術防御スキル』は、要するに体術で敵の攻撃を防ぐものだ。基本能力もさることながら、硬直状態で突進系の攻撃を受けて吹き飛ばされた際瞬間的に硬直が解除され受け身をとれるようになる『受け身』、高所から落下した際などのダメージを軽減する『衝撃緩和』、刺突属性の武器を掴みとる『白刃取り』等のかなり有用なModがある強力なスキルだ。特にマルバにとって重要なのは『武具防御』というModで、
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