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魔法少女リリカルなのはStrikerS〜赤き弓兵と青の槍兵
本編
七話〜英霊と優しき少女
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約束があった」
「約束……?」
「私を育ててくれた養父、その人はな、正義の味方を目指していた。すべてを救う、正義の味方を………
だが、なれなかった、と。亡くなる直前に、()に話してくれた。だから約束したんだ。
『俺が代わりになってやる』って。だが現実は正義の味方はきれいなものではなかった。十のため、一を見捨てる。百のため、十を殺す。万のため、百を切り捨てる。たとえその一に、十に、百にどんなに愛したものがいようと……そんなことを、ずっと、ずっと続けていた。そんな私を皆はこう呼んだ」



――――化け物、と―――――


そういって語る士郎君が……………はやてちゃんの見ている夢の人みたいだと思った。だから………



「士郎君は傷ついてきたんだね……、でも私はそんな士郎君の支えになりたいよ」


自然と、そう言っていた。


「……フッ、本当に、私の周りには強い女性が多いな」


彼は、笑った。出会ってから一番いい笑顔で。



「ありがとう、なのは。君のような女性(ひと)に出会えて、呼ばれた甲斐があったというものだ」
「私は何もしてないよ……してあげるのはこれからだよ」
「もらいっぱなしというのも何だ。()も君を守ろう。英霊エミヤではなく、衛宮士郎として」


そう言って私を見る彼が、月明かりに照らされる彼が、とっても格好良く、私の目にはまるで騎士のように映った。




side ランス



「いい雰囲気じゃねえか」



アーチャーの奴。本当に変わった。


こっちに来るときに流れ込んできた奴の記憶。その中の表情からは想像できないような笑顔。



「ありゃ惚れたかねぇ……」



経験が長いからわかる。嬢ちゃんのあの顔。まさに恋する乙女、って感じだ。自覚があるかはわからねえけどな。



「いや〜やりおるなぁ、士郎の奴」
「全くだ。ほんとに女を落とすのが上手いやつだぜ」
「なに?士郎は女たらしなんか?」
「ああ。それも筋金入りの――――」


またこのパターンか。


「いつの間にか会話に混ざんのはよしてくれよ、マスター」
「ええやんか、減るもんでもないんやし」
「そういうことじゃあねえんだがな……」
「ま、これでも飲んで元気だしや」


そういって酒瓶を渡してくる。


「お、気が利くねぇ」
「気が利くんはええ女の最低条件やで?」
「ちげえねぇな」
「ほんなら、なのはちゃん達も戻ってきたし、私も戻るわ。月見酒もほどほどにしとき〜」
「へいへい」



あいつのこともそうだが、俺も、ここで何かを探してみるか………

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