暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
愛し愛され愛し会う
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、全て自分が造り出したようなものなのだから。
《彼女》の前からいなくなって、《彼女》は壊れた。壊れてしまった。
その結果がこれだ。
腕を振り、脚を動かしながら、初代は憤るように思う。
ざまあない。
それはそうだろう。
主人公がいなくなって、置いてけぼりになったお姫様はどうすればいいのか。
ウロウロする?また囚われの身になる?眠り続けるとか?
冗談じゃない。
そんな
お姫様
(
ヒロイン
)
など容認できない。許可できない。許容できない。
天地一切が闇に閉ざされ、上下左右、時間の間隔すらもズレていく空間の中で、この闇を作り上げた少年は前に進む。泥のような半液体状の闇が足にまとわりつき、妙な粘着性を発揮する。
それを振り払うように、受け止めるように少年が足を交互に動かしてどれくらい経っただろう。
瞬きするくらいの一瞬だったかもしれないし、数時間経ったかもしれない。
すると。
「
Four little boys up on a spree,
(
4人の男の子 呑んで浮かれてた
)
One he got fuddled and then there were three.
(
一人酔い潰れて 3人になった
)
」
歌が聞こえてきた。
抑揚も微妙な、歌と呼べるのかは疑問符がつくようなものだが、確かに聞こえた。
若干掠れてはいるけれど、それでも少年にとっては懐かしい、涙が出るほどずっと聞いていたい声が。
自然、足取りも早くなる。
真っ黒な空間に、水滴を二つ垂らしたように、掠れた歌声とざぶざぶと闇をかき分ける音が響いた。
「
Three little boys out in a canoe,
(
3人の男の子 カヌーに乗ってた
)
One tumbled overboad and then there were two.
(
一人水に落ちて 2人になった
)
」
やがて、何もなく、しかし泥のような床だけは確かに存在する空間に、一つだけ。
自身とは別の、一つの点が見えてきた。
「
Two little boys fooling with a gun,
(
2人の男の子 銃でいたずらしてた
)
One shot the other and then there was one.
(
一人撃たれて 1人になった
)
」
向こう側を向いて、歌うちっぽけな背中。
不思議と少年には、見なくてもその二つの瞳から涙が落ちているのが分かった。
同時に、ソレを流させているのが自分だということを気づかされ、死にたくなった。
少女は歌う。
唄って、謡って、謳う。
「
One little boy left all alone,
(
1人の小さな男の子 ひとりぼっちになった
)
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