暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第73話 ホッホ峡の決戦U
[8/16]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
リップ3号は正確に敵を撃破し続けた。最も強力な砲撃に身を晒され続けるヘルマン兵。……故に、砲撃が届く間合いの戦闘は死路

「ファイヤー・レーザー!!」
「煉獄・居合!」

 志津香とユーリ。

 剣と魔法の力が合わさったかの様に、こちらも宣言通り 誰ひとりチューリップ3号に近づかせず、殲滅していったのだった。

 それは、チューリップ3号よりも先に、小回りがきき易い歩兵、ユーリ、志津香、マリアが先導をしていた時の事だった。敵兵を一掃しつつ、進んでいった先で、岩肌剥き出しであり、天然のアーチ作りの道を進んでいった場所にて。

『グォォォ………』

 地の底から響いてくるかの様な、人の物ではない雄叫び、吠え声が聞えて来た。

「わっ。今の声って……」
「モンスターの吠え声、ね。かなり大きいと思うわ」
「……ああ。100点の回答だ 志津香。……デカント、か。……かなりでかいな。5m級か」

 目を瞑り、その吠え声に耳を傾けながら、敵の姿を思い描くユーリ。それを訊いて マリアは呆気に取られていた。

「え、なんで判るのユーリさん。 モンスターの種類は兎も角、大きさとか」

 そう、ユーリは種類だけではなく、その大きさも言っていたのだ。デカントと言えば、大体が3〜4m程の大きさだ。だが、希に一体何を食べてきたのか? と思える程の大きさのデカント、変異種の類もいるのもある。だが、それは勿論姿を見てから判るモノであり、声を訊いただけじゃ普通は判らないだろう。

「大きければ大きいほど、声質も変わってくるんだ。……長年の経験と勘ってヤツだな。長く冒険者やって来るとそれなりに備わってくるモノなんだ。 中々頼りになる勘だから オレは重宝している。……ま、話半分に聞いてくれ。声からデカントなのは間違いないが」
 
 軽く笑いつつも、ユーリは 前方に集中していた。鞘に収められていた剣を握る力も心なしか、篭っている気がする。

「ふふ。やーっぱ 凄いね。志津香」
「ええ。……どっかの冒険者とは大違い、って訳よ」
「ああ……、ま、まぁ アイツは 本能のおもむくままに動くんだし……。それは、それ。これは、これ じゃない??」
「……別に擁護しなくたっていいんじゃない?」
「え、えっと……」

 マリアはしどろもどろになる。

 志津香は、すごく複雑だが マリアがランスに惹かれている事は判っている。……ランスの方だったから、良かった。と思う所もやっぱりあるけれど、それでも、それ以上に複雑なのはランスの性質だから。

「さて……、と」

 ユーリは、歩む足を止めて志津香達に向き直った。

「吠え声から察するに、この聞こえる範囲には大体3体はいる。……比較的傍にな。1ブロック先程度 って所か」
「うへぇ……
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ