第3章 リーザス陥落
第73話 ホッホ峡の決戦U
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るのはユーリである為、主従契約はユーリを優先されている。だから、言動までは縛られない。
だけど、あまりやりすぎると後々が酷い目に合わされる事も判りきっているので、そこそこで止めておくフェリスだった。
そして、きっちりと周囲の警戒をしつつ……。
「(……アイツは私の力目当て、アイツは私の力目当て、アイツは私の力目当て……∞)」
フェリスは、頭の中で復唱を繰り返していた。
何処となく、考えれば考える程、違和感もあるし、何より考えると……。
「フェリス……さん?」
シィルが、フェリスに視線を向ける。
フェリスは、心此処にあらず、と言った感じだった。
どうしたのだろうか? とも一瞬だけ 思ったシィルだったが 直ぐに悟り、頬を緩める。にこりと笑う。
フェリスは、多分無意識になんだろう。……この眼下で戦い続ける。猛威を奮っている黒髪の剣士を目で追いかけていたのだった。
ランスはと言うと、すっかり気を取り直して、司令官ポジションに以降。眼下で戦う自身の部隊が圧倒をしているのを見て、気分も良くなったようだ。
「が――――――っはははははははは!!!! 無駄だ無駄だ! まとめてこの土地の養分になるが良いわ!!」
……気分良くもなると言うものだ。
ランス軍、ではなく リーザス解放軍達は、怒涛の攻めをみせており、敵という敵を蹴散らしている。喊声、悲鳴、そして無慈悲な砲撃が混じっている。
戦争故に、仕方が無いだろう。ランスはと言うと、それを訊いてテンションが更に上がった様だ。完璧な采配(ランス談)だから、熾烈な夜戦はその規模を瞬く間に拡大させていくのだから。
「どれだけの雑魚が集まろうと、オレ様の超天才的な作戦の前には、無駄なのだ! 無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁぁぁっ!! っと言うヤツだな。がはははは!!」
八重歯むき出しにし、笑い続けるランス。シィルはハラハラとさせながら、見ていて。……更に隣で呆れているのはフェリス。
「……何処かの吸血鬼みたいなセリフを。もう、悪役だな。……悪魔の私が言うのもなんだけど」
と、ボヤいていたのだった。
〜ユーリ・志津香・マリア・香澄 side〜
ランスが盛大に笑っている時、眼下 チューリップ3号を前進させ、正面突破を図っていた。強力なチューリップ3号故に、死角は無い、と思えるのだが この地形の死角をこちらが活用し、他の部隊が奇襲できた様に、敵側も出来るのだ。チューリップ3号に正面にいる以上、正面から攻めてくるのは最早勇敢ではなく 無謀なのだから。
死角に死角に忍び込み
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