暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第73話 ホッホ峡の決戦U
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かねん《・・・・・・・》」
「ぁ……、は、はいっ」

 ランスに心配された事が嬉しかったのだろう。
 フェリスの実況を訊いて、身を乗り出していたシィルだったが、それを訊いて、シィルは笑顔になってランスに駆け寄った。

 フェリスはと言うと、なぜか慌てていた。

「だ、誰が落ちるか!!」
「むおっ!? 何を突然大声を出しているのだ! 馬鹿者。悪魔の貴様は 羽生えてるんだから、落ちるとか無いだろ。寝ぼけてないで、しっかり働け!」

 慌ててそういったフェリスは、不覚ながら ランスに盛大にツッコミを入れられてしまっていた。






 この時、フェリスは、《迷子の森》での時の事を思い出していたのだ。







『ほれ、楽しいだろ? アイツ等見てると』

 ミリがゲラゲラと笑いながら指をさしていた。その指し示す先にいるのはユーリと志津香やかなみ達。……()を慕うメンバーだ。

 確かに、見ていて本当は楽しかったのかもしれない。……悪魔となって、必死に上に上に、と考えていた事が多かったかもしれなかったから。階級を落とされ、色々とショックがでかすぎた事は置いといたとしても。

 その辺は、知られない様に 限りなく表情に出さずに、フェリスは続けた。
 この時は、まだ(・・) しっかりと線引きを出来ていたから。

『楽しい、と言うか……、何と言うか……、私は あれ見てたら 若干イラっと来る方だ』

 それも、フェリスにとって 勿論正直な感想だった。

 前世と言っていい存在、カラーだった頃の記憶も多少は残っている。人間の御楽である漫画やTVも見た事がある。……こう言う周囲の好意に全く気づかない様なキャラクターも見た事がある。どれをみても、例外なく、『イラっ』っと来ていたから。一体何が良いのか判らない。ただ、ムカつく、と言うヤツだった。明確な理由はよく判らない。

 そして、丁度 フェリスがミリの次のセリフを思い出していた時に、ランスが似たような事を言ったのだ。

『おっ? って事は フェリスは志津香やかなみ派って事か? ふふ、フェリスもアイツに落ちる(・・・)なよ? 茨の道だぜー?』
『お前は鈍臭いから、落っこちかねん(・・・・・・・)






 そして、場面は元に戻る。

「おいこら! 訊いているのか!」
「わ、判ってる。ここに近づく様なヤツがいたら、私が蹴散らすから!」
「ふん! 判ればイイのだ! ……今はあのガキのせいで無理だが、これが終わったら、今存分に抱いてやるからな! ありがたく思え!」
「…………。はぁ」
「沈黙の後に、ため息をするんじゃないッ!!」

 ランスがどれだけ、ぎゃあぎゃあ 言っても 今 フェリスを召喚してい
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