第3章 リーザス陥落
第73話 ホッホ峡の決戦U
[3/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
だな。やつら、慌てふためいておるわ。がははは!」
見物するのは、ランス。
チューリップ3号の傍にいるのは、志津香やユーリ、そしてマリア、搭乗している香澄。そして、チューリップの砲撃範囲に入らない様に散開しつつ、殲滅していく。
「ランス様、それは?」
「マリアの試作品だ。主砲の狙いをつけるために作った双眼鏡みたいなものらしい。昼間だろうと、夜間だろうと、ばっちり見えるのだ。つまり、ユーリのガキがサボってないか、チェックするのに持って来いなのだ!」
まだ、さっきの事(前話:フェリスへの命令)で怒っているのだろうか? ランスはユーリに対して一番ダメージのいく暴言を言っていた。
恐らく、今くしゃみをしているだろう……。
「……はぁ、さっきから あの戦車に近づこうとする連中を片っ端からすっ飛ばして、ぶっ飛ばしてるし。あの戦車より……、とはいかないけど、殆ど無双してるのは、どこの誰だ?」
「うるさいぞ! それでも、しっかりと下僕を監督するのが、優秀なご主人様と言うものだ!!」
フェリスは、大鎌担いで、ため息しながら 眼下の戦いを見てそう言う。ランスも勿論判っている。だが、ユーリにも言える事だが、互いに長い付き合いだから、判っているのだ。
そして、近接戦闘主体と言える戦士が、剣士が、なぜ この場面で、遠距離戦で 魔法使いやチューリップ砲撃部隊よりも活躍するのかが正直おかしいのだ。遠目から見ても、霞む程の剣の速さから繰り出される鎌風に似た斬撃は、真空の刃。
ヘルマン軍のその堅牢な黒鎧をいとも容易く斬り飛ばすから、近くにいても遠くにいても同じ事の様だ。……あれを止めるのは、同等クラスの剣技、いや、少なくとも飛ぶ斬撃の太刀筋を見極めた防御が必要だろう。
ランスの筋違いな発言は置いといたとしても、ユーリの力の強さには やはり 舌を巻くと言うものだ。
……完全に力を取り戻した状態の自分。第六階級の悪魔の力をもってしたとしても……、と何処かで考えてしまうフェリス。
――……人間なんかに。
と、出会った当初のフェリスであれば、悪魔としてプライドを強く持っているフェリスであれは、そう思った事だろう。意識しつつ、強く敵視するだろうとも思える。
だが、今はそんな事は考えられない。
……ユーリと言う人物をよく知っているから。よく、知ったから。
……だけど、それでも 本当に人間なのか? と疑うレベルの強さだ。異常とも呼べる強さなのだ。ユーリには、本当に想う所が多い事もある。だからこそ、フェリスは戦闘状態を見極める、と言う名目でユーリの姿ばかりを追いかけていた。
「おい、シィル。あまり前に出すぎるな。お前は鈍臭いから、ここから|落っこち
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ