第3章 リーザス陥落
第73話 ホッホ峡の決戦U
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紅色破壊光線!」
両手に持つ、紅い水晶が光り輝いたかと思った瞬間。紅い閃光が矢となり 解放軍に襲いかかる。矢を受けた何名かは その身体の内側から大爆発を起こし、叫ぶ間もなく絶命していく。
「ぐぁ……、なんだ、この露出女……! 敵魔法使いか!?」
「えーーーいりゃっ!」
「なっ……! ぐ、ぐあああああっ!!」
「こ、これは……ぁ……」
次々と放たれる紅い一条の光線。
無情にも、その光線は 鎧をも貫通し、身体を爆発させる。爆発故に、紅い光線を直撃しなかった者達も巻き添えをくってしまい、更に浮き足立ってしまうのだ。
遠くでそれを見たマリアが青ざめた。
人間が内側から爆発。爆散する光景を見てしまったのだから仕方が無い。
「うえ……魔法、なの、あれ…… ヘルマン側の、魔法使い……?」
「あれは、確か……! あんな魔法を使うヤツがいるなんて……」
「私は知らないけど、教わってたっけ?」
「文献でちょっと見ただけよ。……説明をしてる暇はないわ。マリア、煙幕を!」
「あ、うんっ!!」
カートリッジを換装したチューリップ1号が吼え、紅い魔法使いの姿を白霧で覆う。
「っ!? 煙幕!」
突然視界を遮る白霧に足が止まる紅い魔法使い。
「ファイヤーレーザー!」
「いっけーー! チューリップ!!」
困惑した所に、魔法と砲撃を叩き込む。
煙幕は、敵の視界を遮り、こちらの身を隠すモノ、だが それは自分たちも同じなのだ。敵の姿を正確に見る事が出来なくなる為、直撃させられているか判らない。が、それでも マリアのチューリップの爆風は勿論、志津香の魔法の余波も期待できるから、無意味ではありえない。
「志津香! ユーリさんは?」
「アイツは、前で戦ってる。向こうも数が多いわ。……あまり、無茶、させられないでしょ」
この紅い魔法使いが現れる数分前に、再びデカントを従えた魔物使い達が解放軍を襲っていたのだ。デカントが1体でもいれば、分断させられる上に、守りも薄くなってしまう。……デカントの攻撃力もかなりの驚異だ。
だからこそ、まっさきにユーリがデカントを始末しに言ったのだ。被害を最小限にする為に。そして、乱戦故に 離れてしまうもの仕方が無い事だ。
志津香がそう言っていたその瞬間だ。
「ッと! へぇ、面白いやつ、見つけた!!」
「え……っ、きゃああっ!!」
煙幕も吹き飛ばす爆風。マリアと志津香の魔法の爆風の中から、あの魔法使いが飛び出してきて、一直線にマリアの首を掴んで押し倒したのだ。
「へぇ……、これ。これがずっとヘルマン人を打ち負かしてきた、っていう妙な筒?」
「あ、くっ……ぐっ……」
その魔法使いは、片手でマリアの首を、そしてもう片方の
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