第3章 リーザス陥落
第73話 ホッホ峡の決戦U
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る程度アイゼルの中では 推測をしていたのだ。
「……ふむ。(……人間側からすれば、我々魔人の介入事態が、フェアではないと言えばそうです。……同じ様な事が、魔人側に起こったとして、慌てふためくのは美しくない事です、ね)」
「アイゼル様? 何かありましたか?」
「いえ、何でも。……トパーズ。貴方も警戒はしておいた方がよろしいですよ。……人間を、いえ、彼らを甘く見ない様に」
「は、はい」
トパーズは、アイゼルの傍にいられて、ホクホク、とさせていたのだが、その心中を見破るかの様にいわれて、慌てて頷いていた。それを横目に見て薄く笑うと、喧騒漂う戦場の方へと視線を移した。
「さて……、次は何が見えますか。……見せてくれますか」
アイゼルがそう言ったと同時にだった。
ヘルマン軍の先陣が、あの戦車の砲撃によって、まるでゴミクズの様に吹き飛んだ。
突然の奇襲に驚きを隠せられないのはヘルマン側だ。
こちらから、攻めようとしているのに、逆に攻められている。……人はそこが一番脆くなるのだ。
「り、リーザス軍ッ!! て、敵襲だ! 敵襲ーーーーーっっ!!!」
叫び声を上げ、知らせようとするが、最早手遅れだ。
チューリップ3号は、固まっているヘルマン兵達に、一撃を見舞ったのだから。ただでさえ、巨体であるヘルマン軍が 固まっているとすれば、それは外す方が難しい、と言えるだろう。
「がははは! よーしよし! 突撃しろーー!」
フェリスによって、一際高い岩山の天辺で 人差し指を盛大に指し示し、指示を送るのはランスだ。その指示が無くとも、ランス眼下の兵士達は、一斉の鬨の声を上げている故に、止まらないだろう。……ヘルマン側はろくに陣形を作ることもできていない。突撃し、どんどん斬り破っていく。
戦車の装填時間を補う様に、兵士達が突破力をみせているのだ。
「ぐああああ!!」
「ぎゃあああっっ!!」
瞬く間に、数の差が全く意味がないと言える程に、次々に屠られていくヘルマン兵。
「な、な! なんだって奴らが!? く、くそ!! 応戦だ! 応戦しろ!!」
事前に、油断をするな、と伝令されていたヘルマン側だが、よもやここまでの兵力が待ち構えていたなどとは思ってもいなかったのだ。中でも、チューリップ3号の存在が、彼らを恐怖させた。あのレッドの町での悲劇再来なのだから。
「………ふむふむ。どうやらビンゴ
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