○○四 寂しがり屋な痛い子
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あの時呟いた言葉、解体、この言葉がこの子、艦娘にどれだけ恐ろしい言葉なのか。
言ってしまえば、人間がバラバラにされて殺されるのと同じこと。それを軽々しく、言葉に出したのだ。
どうしたらいいのだろう… 悪く言えば、厄介なことになってしまった。
提督は提督で誤ちの気づいて何も言えず、電は電でショックを受けたまま、涙を流しているだけ。
素直に謝るのが一番なのだろう。けれど、謝ったところでとんでもない誤ちを起こしたことには変わりない。なんと言ったらいいのかわからない。
とりあえず、と提督は、膝立ちをし、電と同じ目線に立ち、下を向いている電の顔を自分に向けた。
ぐしゃぐしゃになった電の顔を見て提督は、また一段と申し訳ない気持ちになりながら、電の目の周りについた雫を指で弾いてやった。
「もう、二度と… あんなこと言わない。だから泣かないで」
□□□
「フ、フフ、フフフ、怖いか。俺が怖いのか。怖すぎたのか…」
眼帯の少女は工廠の周りをグルグルと歩きながら一人喋っていた。ひたすら何かを待って、そわそわしている彼女の表情には不適な笑みと不安が混じり、複雑な表情をしていた。
「なんで来ないんだよぉ〜…」
遂に設定をも忘れ本音をさらけ出した彼女は、不適な笑みの欠片を崩して涙目に変えたのだった。
「早く来いよぉ〜……」
■■■
提督の胸の中でヒクヒクと嗚咽を漏らしている電、提督はそんな電の頭を撫でるばかりだった。
落ち着くまで、こうしてやろう。
初日から信頼を削って何がしたいんだ俺は… ともう一度後悔をし直す提督。
ここで、司令室の外から、電の嗚咽以外の音が聞こえた。足音。それも速い、走る足音だ。徐々にその足音は近くなっていき……
バンッ!
と、衝撃音を司令室に響かせ現れた人物。
「ふふ……ごわいがぁ…?」
今にも泣きそうな、堪えた声でそう言ってきた少女… 眼帯少女が提督の前に現れた。
「天龍さん……なのです…」
提督に抱き締められながら、もごもごとそう言った電。
ここで提督が反応した、天龍という単語に。
「軽巡…? 天龍型…?」
「なのです」
提督の表情が徐々に変わっていく。それも楽しそうな表情に。
「あの天龍がこんな娘になるのか!」
少女と言えど、電のような少女ではなく。もっとも、天龍に関しては、提督と背丈が然程変わらない。それに比べ、電は提督の半分程しか背丈がない。
提督も提督でそこまで背が高いわけでもない。
少女と言うよりかは、女子高生と言った方が近いだろう。
「何言ってるかわかんねぇよぉ…… 無視すんなよぉぉ…」
泣きそうな故に語尾が伸びる天龍。し
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