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ポケットモンスター 急がば回れ
21 シルフカンパニー
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く」

立ち上がって握手を求める。
ブルーは畏まった様子で握手する。

エリカ「こちらは秘書のナツメ。
ヤマブキジムのジムリーダーでもあります」

ナツメ「あなたとは前に会ってるわね」

ブルー「あ! あのおじさんの家で!」

エリカ「そしてわたくし、同じく秘書のエリカでございます」

ブルー「エリカさんも?
ジムリーダーで、しかもこんな一流会社の秘書なんてすごいわ!」

エリカ「いえいえ、そんなことはございませんわ」

ブルー「それに生花教室の先生でもあるし、ナツメさんも美人で超能力も使えるなんてかっこいいわ!」

ナツメ「そう? ありがとう」

エリカ「いえいえ……」

サカキが咳払いをする。

サカキ「女性だけで盛り上がっているところ悪いが」

エリカとナツメは秘書の顔に戻る。

サカキ「ブルー君といったか。
アポ無しで何の用だね?」

ブルー「あの……赤い帽子をかぶったレッドという男の子と、黄色い髪をしたイエローという男の子はここに来ませんでしたか?」

サカキ「レッドという少年ならさっきまでここにいたな。
イエローという少年は来ていない」

ブルー「そうですか。
レッドはどこへ行きましたか?」

サカキ「さあ……
ロケット団を追っ払ったらどこかへ行ってしまったよ。
優れたポケモントレーナーだった。
彼はシルフを、いやヤマブキを救ってくれた英雄だからせめてお礼をしたかったのだがね」

ブルー「そうですか、もう行っちゃったんですか。
じゃああたしはこれで……失礼しました」

サカキ「待ちたまえ」

背を向けるブルーを止める。

サカキ「実は私も君に用があるのだよ」

ブルー「えっ?」

サカキ「我々は君によく似た少女をロケット団から保護してね。君に会いたがっているのだよ。
彼女に心当たりがあるかな?」

ブルーは、はっとする。

サカキ「入りたまえ」

奥の部屋からブルーと瓜二つの少女が現れる。

ブルー「イミテ!」

イミテはどこか不安な様子でブルーを見ている。
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