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逆さの砂時計
この手を伸ばして
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かっ」
 「いいから俺と来い! レゾネクトとの契約なんざ棄てちまえ!」
 「!」
 ぐっ……と喉を詰まらせたロザリアが、唇を噛み締めて目を逸らす。
 「……行けない」
 「クロスツェルか」
 瞳が揺らぐ。
 ったく、あの莫迦。とことん面倒臭ぇ!
 「っぬわ!? てめ、何すんだ!」
 片腕でロザリアに体重を預け、コートに入ってた実を取り出してロザリアの頭頂部で潰す。溢れた水が俺の指とロザリアの髪を濡らした。
 三分の一程度しか残ってなかったが、無いよりはましだろう。
 「お前、本当いい加げぅ!?」
 文句しか出ない口を塞いで、ついでに舌も挿れてやった。
 クロスツェルの器でしたのとは感じが違う。当然か。
 「それ以上、俺の物に触るな」
 「!」
 ドン と、音がした。
 「ベゼドラ……!」
 ロザリアがこれでもかと目を大きく開いて、俺の胸部を貫いたレゾネクトの腕を見る。
 ティーの力で時間を止めてても動けんのかよコイツ。まじムカツクな!
 だが
 「遅ぇよバーカ」
 ロザリアに直接触れれば、俺達の勝ちだ。
 腕が抜けるのを確認して、時間を進める。世界に音と色が戻る。
 てめぇら、やる事解ってんだろうな。
 お前もしっかり働け!

 「起きろ、クロスツェル!!」

 
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