第四章
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「ワンピースのドレスで丈も袖も長くて」
「ああ、あの服だね」
「そうよ」
白地でだ、袖や襟といった端の部分は赤でだ。金糸で斜線と波型のもよ王が入っていてだ。胸のところも赤く歯車型の模様が入っている。低い立ち衿のドレスの下の服は紅でくるぶしまでありブラウンの靴を半ばまで隠している。胸のところには金色の奇麗な模様が描かれている。
白い帽子は先が尖っていてだ、端のとkろが赤と金、それに白で模様が描かれ後ろのヴェールはマントの様に膝のところまである。帽子の前の模様は何かの紋章の様で耳のろところに垂らしてある白い布にも赤い紋章めいた模様がある。
その服を見てだ、晴海はウィリアムに興奮して言ったのだ。
「凄い服よね」
「あれはコイレクっていうんだ」
「コイレク?」
「この国の民族衣装だよ」
ウィリアムはこう妻に話した。
「あの服はね」
「そうなの」
「うん、ロシアの影響を受けてね」
「ああした服になってるのね」
「下の赤い服がコイレクで」
具体的な説明もだ、ウィリアムはした。
「それでその上の白い服がカムゾル、幅の広い革のベルトで締めているんだ」
「そういえばベルトで締めている感じね」
「ベルトも元々遊牧民のものだしね」
「そうよね」
「それであの帽子はね」
ウィリアムは帽子の話もした。
「あれはタキヤ=ボーリクっていうんだ」
「タキヤ=ボーリクね」
「そう、未婚の女の人が着けるんだ」
「じゃあ私は無理ね」
「人妻さんはお断りなんだ」
そうした服だとだ、ウィリアムも答えた。
「あの帽子はね」
「そうなのね」
「けれど。君もえらく興奮しているね」
「おとぎ話に出てきそうだし」
日本のだ。
「それに魔法少女みたいで」
「ああ、日本の」
「だからなのよ」
「そこまで注目するんだ」
「あの服を見ていたら」
それこそと言うのだった、晴海も。
「この世にいない感じさえするわ」
「ファンタジーの世界だね」
「ええ、本当にね」
「そうなんだね」
「いや、凄いものを見たわ」
「じゃあ学術的な資料ともしてね」
ここでだ、ウィリアムはこう妻に言った。
「あの服を一式買うかい?」
「コイレクを」
「帽子とかもね」
「そうね、凄く幻想的な服だから」
学術的な意味よりもこちらの意味でだ、晴海はウィリアムの言葉に応えた。
「買いましょう」
「それじゃあね」
こうしてだった、二人でそのコイレクと他の服、帽子まで買った。それからもフィールドワークを二人で続け。
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