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迎え
7部分:第七章
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ね」
「本当にさっちゃんが食べられちゃったと思ったよ」
「でしょうね」
「だからここに帰って来た時も本当に心配だったんだ」
「一樹君・・・・・・」
「いてくれているかどうか。けれど今ここにいてくれているから」
「ほっとしているのね」
「うん、それに凄く嬉しい」
 一樹はここまで言った。
「さっちゃんがいてくれて」
「またえらくストレートな言葉ね」
 お姉さんは苦笑いを浮かべてしまった。
「けれど。誇っていいわよ。この娘をここまで連れて帰って来たことには」
「そうなんだ」
「そうなんだじゃないわ。よくやったわよ」
 そして次は早智子に顔を向けて言った。
「こうした子はずっと一緒にいてあげるのよ」
「はい」
「そうしたら幸せになれるからね。じゃあ」
 お姉さんはそこまで言うと最後ににこりと微笑んだ。
 そしてすうっと姿を消した。それで何処からも消えてしまったのであった。
「いっちゃったね」
「うん」
 二人はそれを見届けて顔を見合わせて言い合った。
「何か変わったお姉さんだったね」
「そうよね。けれど」
 早智子の頭の中にはその変わったお姉さんの言葉が何時までも残っていた。
(絶対に離しちゃ駄目、か)
 一樹の顔を見ながらその言葉を思い出していた。
(それじゃあ)
「どうかしたの?」
 一樹は自分の顔をじっと見詰める早智子に気付いて声をかけてきた。
「僕の顔に何かついてるの?」
「あっ、ううん」
 だが早智子はその言葉には答えず首を横に振るだけであった。
「別に何も」
「そう?だったらいいけど」
 そんな早智子の様子に気付かずに言うだけであった。
「じゃあさ、さっちゃん」
 そしてまた早智子に声をかけてきた。
「お父さんとお母さんのところに帰ろう」
「うん、そうよね。今ならまだ間に合うし」
「そうだよ。早く早く」
 そう言って早智子を急かす。
「帰ってきてお父さんとお母さんを驚かせようよ」
「うん。それじゃあ」
 早智子はここで一樹の手を握ってきた。
「一緒にね」
「う、うん」
 急に手を握られてキョトンとした顔になる一樹であった。
「それはいいけれど」
「何?」
「もう手は握らなくていいんじゃないかな。だって帰って来ることができたから」
「私は違うの」
 だが早智子はこう言って一樹に反論した。
「違うって?」
「ねえ一樹君」
 また一樹に言った。
「ずっと一緒にいてね」
「うん。何かよくわからないけれど」
 一樹はあのお姉さんが早智子に言った言葉は知らなかった。だからわかりはしない。だがそのうえで彼女に応えるのであった。何なのかわからないまま。
「わかったよ、ずっと一緒にね」
「ええ」
 二人は手を握り合ったまま早智子のお父さんとお母さ
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