第1章:平穏にさよなら
第16話「大苦戦」
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ている奴らにギリギリ当たらない角度に、神咲さんを人質に取っている奴の正面と死角に一つと二つ、かやのひめさんを助けるのに三本、一遍に剣を瞬時に投影する。
「っ!?なにっ?!」
「(今の内に神咲さんとかやのひめさんを...!)」
予想通り少しばかりの隙ができた。この隙に必ず神咲さんとかやのひめさんを助け出すために意識を集中させ、思考速度を極限まで加速させる。
―――刹那、景色から色が消えた。
「(っぅぅぅ....!?)」
頭が軋むように痛む。しかしその代わりにいつもより速く、そして早く動けるため、痛みを堪えて動く。
「(まず...神咲さん...!)」
周りも僕自身もスローで動く中、距離的に近かった神咲さんを助け出すため、魔力で身体を強化して人質に取っていた奴を無理矢理吹き飛ばす。
「(次...!っ、ぐ、ぁあ...っ!?)」
かやのひめさんを助け出そうとそのまま動こうとすると、思考を加速させたまま身体強化をした代償か、意識が薄れるほどの頭痛に見舞われる。
「(しまっ...!動きが...!)」
モノクロでスローな世界が元に戻る。僕の体の動きも完全に鈍っている。まずい...!
「ぐ、ぅうううう!!」
「きゃっ!?」
無理矢理体を動かし、何とかかやのひめさんを抱えて助け出す。
「ぐっ...がっ....!」
「あ、貴方....!」
しかし、少し間合いを離した所で、僕は朦朧とした意識と頭の痛みに耐え切れず、地面を転がるようにこけてしまう。
「緋雪ぃっ!!」
「っ、“ツェアシュテールング”!!」
僕の叫びに何をするべきか察した緋雪は、魔法を使って目暗ましをする。
「ぐ....くっ....!」
「貴方....。」
体にガタが来たかのように動きづらい。だけど、そんな体に鞭打って僕は立とうとする。
「....っ、かやのひめさん?」
「...力を失った私でも、支える事は出来るわ。」
今にも崩れ落ちそうな僕をかやのひめさんが支えてくれる。
「...ありがとう。」
「べ、別に何もできないのが悔しいだけで、貴方のためじゃ...。」
「とにかく、今の内に...。」
ツンデレ的な発言があったけど今は気にしている暇はない。
「―――どこへ行くんだ?」
「っ....!?」
移動しようとした瞬間、目暗ましとして立ち込めていた砂煙が切り裂かれ、リーダーの男が現れる。
「この程度の目暗ましで逃げられるとでも思ったか!」
「くっ....!」
斧を振りかざすのを見て、咄嗟に回避しようとするが...。
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