第1章:平穏にさよなら
第16話「大苦戦」
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シャッ”と、もう片方の手で表す男は下劣な笑みを浮かべてそう言う。
他の奴らも、余裕綽々なのか、僕らを嘲笑っている。
「ひ、卑怯よ!」
「あん?卑怯だぁ?ハッ、手前で巻き込んでおいてよくそれが言えるなぁ、おい?」
「ぐっ....!」
かやのひめさんに対してバカにするようにそう言う。
「...戦いの場で、卑怯とかは言うつもりはないけど...。」
「ないけど、なんだ?」
ニヤニヤしながら僕を見てくる男。...うざいな。だけど今は我慢だ。
「人の妹に何してくれてんだ。この野郎。」
「ほう?てめぇの妹ちゃんか。...で、どうするんだ?」
未だにイラつくような笑みを張り付けてそう言ってくる。
....ああもう、なんていうかさ....。
「―――とりあえず、僕の妹舐めんな。」
「あん?」
「っ...うざったい!」
「ぐぅっ....!?」
頭を掴まれ、ぶら下がっていた緋雪が、いきなり掴んでいる腕を逆に掴み、体を振り子のように振って蹴りを男に叩き込む。
「なんだ...!?この馬鹿力は...!?」
「ああもう!髪の毛がぐしゃぐしゃだよ!直すの大変なのに!」
防御魔法の上からでも届いた威力に、戦慄する男と、髪がボサボサになって嘆く緋雪。
「緋雪の力を侮ったね。大方、小さい少女だと思って油断してたんだろ?」
「くっ....。」
緋雪を人質にするのなら、魔力で身体強化しておくべきだったからな。
「ちっ...管理外世界にこんなのがいるなんて聞いてねぇな...。だが。」
「きゃっ!?」
いきなり後ろから声が聞こえる。
「かやのひめさん!?」
「おっと、よそ見してていいのか?」
「っ....!」
つい後ろを向こうとして隙を晒してしまう。それを突いて男が斧型のデバイスで攻撃してきたのを、ギリギリ受け流して凌ぐ。
「うちには優秀な暗殺係がいてなぁ...。短距離転移なら防御魔法の中にも可能なんだよ!」
「くっ....。そう、言う事か...!」
攻撃をしながら男はそう言ってくる。その言葉に納得した僕は、かやのひめさんがやばいのだと心の中で大いに焦る。
「くぅっ!」
「ダメっ、久遠!」
「っ....!」
久遠がかやのひめさんを助けるために動こうとするも、神咲さんが人質に取られる。
「(まずい...!まずいまずいまずいまずい!!)」
一気に状況が悪化していく事に、僕はさらに焦る。
「そらっ!」
「しまっ...!ぐぅ...!」
さらに、受け流すのに少し失敗して、久遠のいる所まで後退する。
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