暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
GGO
〜銃声と硝煙の輪舞〜
殺し殺され殺し合う
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ねた。

所詮アイテム。システム――――この場合はGM(ゲームマスター)じきじきに与えられた武器。その程度の認識だった。唯一無二のものではあるが、かといって強い思い入れがあるわけでもない。

だが。

この言いようのない感覚は、分からなかった。

初代はこちらの顔を見、一瞬逡巡してから何も言わないほうがいいと思ったのだろう。あえてそのことには触れずに続きを口にした。

「つまりきみは、これからフランと『素手で戦う』ことになるんだ。鎧化ももどれだけ抑えていられるか見当もつかない。それでも……きみは戦うの」

その問いは。

その問いだけは。

愚問だった。










ピピッ、という場違いな電子音が戦場に響いた。

サテライト・スキャン用に設定しておいたアラーム音だ。十五分間隔で上空を通り過ぎる監視衛星からの情報が、配布された端末に送られてきたらしい。

だが、この戦闘下ではバックパックに吊り下げた端末の画面など見る訳が、とレンが思ったところで、なんと視界端に圧縮された端末画面が出現した。

身体を覆い尽くす中途半端な《鎧》が端末もろとも呑み込んでいるため……という適当な結論を下し、レンはその画面を見て。

そして絶句した。

ない。

第三回バレット・オブ・バレッツ本大会。その戦場であり、会場であった。

孤島全土に散らばっていた光点のほとんどが、今、この場。

南部の山麓エリアに集結していた。

明度の低い――――《死亡》したプレイヤーも含めて、余すことなく。

『お……前…………』

弾丸が、弾幕が、闇色の過剰光にブチ当たり、気体状とは思えない金属音をまき散らす。

だが、ちっぽけな少年にはその音が、傀儡となった者達の血の悲鳴に聞こえた。

『オ前エエエエエェェェェェッッッッ!!!』

起爆する。

漂っていた影が明確な形となって発現する。

ずるり、と。

臀部の辺りから伸びる《ソレ》は、生物的な生々しさを伴ってゆらりと蠢いた――――かに見えた。

ズ…ッンン!!!

冗談ではなく、比喩抜きで。

緩やかな動作。それだけで闇夜に沈む岩山、そのシルエットが一息の合間に三分の一ほど削れた。

その過程、というか余波の端っこほどの勢いで操られていたプレイヤー達の半分ほどのアバターが消し飛ばされたが、それを見ていた少女の笑みは欠片も揺るがない。

「くすくすッ!《尾》まで生えたか!これでまた《鎧》に近づいた!!」

『どんだけ人ヲ巻キ込めバ気が済むんだッッ!!』

バゴギャギャギャギャギャッッ!!!!と。

乱舞する針と、それを迎え撃つ尾。

鼓膜が吹き飛ぶほどの轟音をまき散らし、両者は再び音の
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ