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八神家の養父切嗣
二十一話:闇の書の意志
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n the left at three hundred yards. 《一般市民がいます》』

「フェイトちゃん!」
「うん。すぐに探そう、なのは」

 バルディッシュの警告により、すぐさま退避を止め一般市民の保護に目的を変えるのだった。
 



 
「あの二人、どれぐらいもつと思う?」
「さあね、こっちとしては暴走直前の数分前までは囮になってくれると助かるけどね」

 戦場から遠く離れた場所にて、アリアと切嗣は常軌を逸した桃色の閃光を見物しながら会話をする。
 切嗣とてあの爆心地に一般人がいるのには気づいてはいたが、計画に支障が出ぬように見捨ててきた。
 
 対管理局用に人質としてとっておいても良かったのだが、肝心の闇の書は人質ごとこちらを殺しにくる。
 片方にしか効かない人質を取っても乱戦ではあまり意味はない。
 それよりも、身軽に動ける方が闇の書の封印には有利だ。

「デュランダルの準備は?」
「もう、できている」
「オーケイ、なら、後は暴走開始直前の隙をつくまでだ。尤も、もうしばらくかかりそうだが」

 まるで核爆発でも起こしたかのようなスターライト・ブレイカーの爆発を見ながらぼやく。
 あのレベルの攻撃を際限なく撃ち続けられるのだからまさに反則級だ。
 あくまでも対人戦闘に特化した今の切嗣の武装では荷が重い。
 化け物じみた魔力量を誇る少女二人に押し付けるのが得策だ。
 ただ、あの二人がやられれば間違いなくこちらに向かってくるだろうが。

「それにしても、闇の書はこっちに来るものと思っていたんだが、意外だな」
「未だに信じたくないだけ……かも」
「…………」

 自分を目の敵にしてくるはずだと踏んでいた切嗣にとっては闇の書の意志がなのは達を襲っているのが不可解でならない。
 そんな切嗣に向けてアリアが闇の書の意志の考えを、いや、はやての想いが未だに裏切られたことを信じたくないのではないかと告げる。
 黙ってその言葉の意味を噛みしめる。それほどまでにはやては自分のことを信用して、愛してくれていたのだと今更ながらに感じ、首を振る。

「まあ、都合が良ければそれでいい。僕は闇の書の意志の近くの持ち場につく。機が満ちたら封印を頼む。可能な限り、良い環境は作り出す」
「分かった。そっちも、もしもの時の保険(・・)は任せた」
「ああ、わざわざ無理を言って頼んでいたもの(・・・・・・・)だ。と言っても、無駄になることを祈っているよ」
「分かっている。必ず、成功させる」

 仮面の下で並々ならぬ覚悟を決めた表情を作るアリア。
 そして、それ自体が仮面なのではないかと錯覚してしまうほどに無表情の切嗣。
 両者は最後に目を交り合わせることもなく、自らの持ち場へと向かってい
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