二十一話:闇の書の意志
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「……闇に染まれ」
まるで核爆弾でも落とされたかのような光景が生み出され辺りが闇に染められる。
その威力故になのはとフェイトは消し飛んでしまうかと思われたが、何とか防ぎ切り、今度は速さを武器とするフェイトがなのはを抱えて物陰に逃げ込む。
ひとまず、相手の魔の手から逃れられたことに胸を撫で下ろしながらこれからどうするべきかと話し合っているところに増援としてユーノとアルフが現れる。
「なのは!」
「フェイト!」
「ユーノ君、アルフさん、来てくれたんだ」
心強い味方の登場に笑みを覗かせるなのはとフェイト。
しかし、すぐに先ほどまでの出来事を思い出して暗い表情になる。
そんな様子にユーノが何事があったのかと尋ねる。
「はやてが闇の書の主で、それで覚醒したんだ」
「ちょっと待って、それじゃあ今まで僕達が主だと思っていた人は」
「うん、偽物だったみたい」
「そうなんだ……。だとすると今まで僕達が追っていた人は一体?」
ユーノの問いかけに体を震わせるフェイト。
一体何があったのかと訝しがるアルフとユーノ。
なのはは気を使い、そのあとの言葉を自分が引き継ぐ。
「はやてちゃんのお父さんが偽物で……はやてちゃんを裏切ったの」
「なんだい、そりゃ! その子も騙されてたってのかい!?」
子供が親に利用されたと聞いて憤りを見せるアルフ。
彼女中ではどうしてもフェイトがプレシアに利用され捨てられたことが残っているのだ。
故に他にも同じような子供がいるとなると怒りが抑えられない。
何よりも目の前で傷口を抉られて震えている主の姿が許せない。
いつもの笑顔を取り戻す為ならば彼女は如何なることも戸惑わないであろう。
「それで、その人はどこかに行っちゃって―――」
そこまでなのはが言った時、辺り一帯が封鎖結界により閉じ込められる。
闇の書の意志がその場にいる者全てを逃がさないように張ったのだ。
彼女は主の願い通り、誰一人として生かして返す気はない。
「クロノも応援に来てくれているけど大分時間がかかる。だから、それまでは僕達だけでなんとかしないと」
「うん。……こんな終わり方なんて許せないもん」
「はやて……一人じゃないって、伝えてあげないと」
これ以上の増援は望めず、補給もままならない状態だというのに少女達は諦めない。
寧ろ、絶対に自分達の力で何とかしてみせるのだと熱い想いを胸に抱く。
なのははこんな悲しい結末など認めないと。
フェイトは自分のように決して一人ではないのだと伝えたくて。
己の愛機達に語り掛ける。
「お願い、レイジングハート」
「行くよ、バルディッシュ」
『All right.』
『Yes, sir.
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