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問題児たちが異世界から来るそうですよ?〜金糸雀の隠された遺産〜
プロローグ
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次話
6月___
梅雨の時期にも関わらず、その日は五月晴れだった。
金糸雀ファミリーホームに住まう9歳の少女、『青葉 黄泉』は退屈そうな顔で自室に篭り、窓の外を眺めていた。
「・・・十六夜兄・・・」
彼女はふと、五年前に消えた『逆廻 十六夜』の名を呟く。
「黄泉ー。入るよー」
コンコン、とノックをして入ってきた少女。
見た目は凡そ十一と言った所か。
「・・・キャロ姉。何しに来たの?」
キャロ姉と呼ばれた少女___『キャロッセ・J・キャンデリラロウ』は、水が入ったトレイを持って、黄泉の部屋に訪れたのである。
「何しにって・・・水持ってきたんだけど。・・・まさか黄泉、まだイザ兄の事気にしてんじゃ無いだろうね?」
「そ、そんな訳・・・!誰があんな快楽主義者っ・・・!」
「まーたんな事言って・・・。」
キャロッセは呆れながらトレイをテーブルに置き、椅子に腰掛けた。
ギシリ、と年季の入った音が出る。
「だって十六夜兄は・・・金糸雀ファミリーホームを切り盛りしてきたに等しいんだよ!?」
「まあそうだけどさー・・・あんたにとっちゃ恋っしょそれ。・・・と、それ手紙。あたしにも来てたんだよね、それ」
「キャロ姉にも?」
その手紙には、『青葉 黄泉殿へ』と書かれた手紙であった。
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