3部分:第三章
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に入るんでしょ?」
「ええ」
お姉さんの言葉にぼんやりとした顔で答えた。
「何かよくわからないですけど入らなきゃいけない気がして」
「その川に入ったらもうお父さんとお母さんに会えなくなるわよ」
「まさか」
「いえ、本当よ」
お姉さんは早智子にこう述べた。その顔は変わらなかったが口調ははっきりと言い聞かせるものになっていた。それが早智子にもはっきりとわかった。
「だからね。入ったら駄目よ」
「パパとママに会えなくなるの?」
「そう、そしてお友達にもね」
「一樹君にも?」
「そうよ、ずっとね」
お姉さんは早智子の目を見て語っていた。言い聞かせる様に。その目を見て早智子も何か考えているようであった。
「そんなの、嫌でしょう?」
「うん」
そしてお姉さんの言葉に頷いた。
「私、パパとママも大好きだしお友達も大好きだから」
「一樹君は?」
「一番好き。いつも一緒にいたい」
「さっちゃん・・・・・・」
思いがけない言葉だった。一樹も頬っぺたを赤くさせる。けれど今はそんな告白に相応しい場所にはいなかった。お姉さんがまた声をかけてきた。
「お話中悪いけど」
「は、はい」
「な、何ですか!?」
二人はあらためてお姉さんと面対した。お姉さんはくすくすと笑いながら二人に対してまた言った。
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