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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第四二話 不安
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と元通りにしたいんよ。その為には幾らあっても足りん。」
「………分かった、多くはやれんが俺の個人貯金から少しやる。足しにしろ。」
柾の実家とは別に、俺たちには家があった。幼少からともに暮らし、育った家が。
しかし、長らく続いたBETAの破壊活動や戦闘行為で跡形も残っていない。地形すら変わってしまったそれを復元するのは並大抵じゃない。
それを元通りにしたいという、父母が建てた俺たちの育った家を。
そんないじらしいお願いをされては断るに断れない。
「ありがと、おにーちゃん!」
「その呼び方やめろや。」
慣れ親しんだ兄弟の会話、これが最後かもしれない。だけどもだからこそ、これを最後にしないためにも、次期主力機開発という自分たちの責任は重い。
願わくば、我らが鍛えし刃が夜を切り裂く黎明を告げる曙光の刃とならんことを―――。
「可愛らしい弟さんですね。」
実弟が去ったあと、唯依が感想を漏らす。しかし、晄と唯依にそんなに年の差はなかったはずだ。
そんな彼女に可愛い扱いされては奴が少々拗ねそうだと、ふと思う。
「あれでもお前の一つ下だぞ……いや、お前が早生まれだから事実上同い年か。」
そう考えると、自分がこうも年下の相手を嫁にすることになるとは夢にも思わなかった。
―――実は唯依が自分の好みの年代からやや外れてるのは言わないほうがいいだろう。うん。
「忠亮さん、なにか不穏なこと考えていませんか?」
「さて、何のことか……それよりも本当に大丈夫か?」
微妙に勘が鋭いと、内心冷や汗を感じながら横目で唯依を見下ろす、体は大丈夫だと聞いている。しかし、心まで大丈夫とは限らない。
「はい助けてもらいましたから……でも、ショックです。―――忠亮さんと一緒になるって決まったとき、何かが変わるんだ。私はそう、思いました。」
「………そうか。」
「もっと、良いほうに変わっていくんだ。無邪気に無責任にそんなことを考えていました―――でも、実際は大変なことのほうが多くて。一歩間違えば悪くなっていく事のほうがずっと多い。」
「そうだな。」
唯依の言葉を肯定する、互いが最良を目指し尽力し続けるからこそ二人は今ここにいる。
それは純然たる事実、人が先を望むには其処に至るまでの過程が必要不可欠。積み重ねのない存在は最初から破滅が決まっている。
また、破滅へと至る過程も存在している。
何処かで、何か違っていれば―――――最悪への路へと踏み入っていたかもしれない。
「お前は……俺と出逢わないほうが良かったと思うか?」
不意によぎる疑念、自分と出逢わなければ彼女は今回のような事にも巻き込まれなかったはずだ。
そして
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