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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第四二話 不安
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」
「全くそう言って何も連絡寄越さんがやき。筆不精も大概にしいや。」
「ああ、留意しよう。―――で、そういうお前はこいつに何を要らんことを吹き込んでいたがや?」
懐かしい実弟との再会に思わず方言が出る。多少、棘があるように聞こえるのが土佐弁というモノだ、あまり問題はなかろう。
「ん?あぁ、この人があき兄の事を知りたいって言うてきたから教えちゃっただけよ。あき兄はカッコつけたがりだから大した事言うてないと思うたからな。全く、仲が良くてえいことやね?」
「いえ、そんな……私なんて忠亮さんの事、何も知らないから………」
「うん、言っていい?ごちそうさま。」
したり顔の末弟がなんとなく癪に障る。蟀谷で青筋が踊り狂っているのは致し方ない事だろう。
「で、なんでお前が此処にいるんだ?」
「ああ、なんかね俺らの不知火のアップデートするから此処に来いって急に言われたがって。
正直、着陸指定ポイントも妙やし面倒やったけど命令やし仕方ないって来たらまぁ、誰か」知らんけど襲われよって、その人を白い斯衛の人が助けゆう所にちょうど出くわしてびっくりしたわ。」
―――妙だな。実弟、晄からの情報を耳にそんな感想を抱く。
通常、戦術機の移動が行き成り起きることは通常ではあり得ない。戦術機はそれ自体が数千の部品からなる一級の工業品であり、その大規模かつ複雑な構造上、動かすどころか置いているだけで劣化する品物だ。
そんな戦術機の移動には近距離であれば専用トラックに搭載しての陸路が主流だ。なぜなら戦術機は稼働させるだけで消耗する精密機械だからだ。
なのに、態々戦術機そのものを稼働させての移動。その時点で不自然だ、さらに戦術機自体に移動させるのであれば到着後のメンテナンスのための物資・人材の手配が必要だ。
戦術機の保守パーツは非常に綿密な整備計画が立てられて運用されている、それを行き成り降ってわいた機体の整備に充てるという事はまず出来ない。
―――という事は、この事件。起きると分かっていたが水際で防ぎたかった存在の意思が介在している可能性がある。
……もしや、手配したのは巌谷か?という疑念が脳内をよぎるが、どうにもしっくりこない。
「そうか、助かったよ晄。………本当に、助かった。恩に着る。」
疑念を頭の隅に追いやると、実弟に向け頭を下げる―――がしかし、その次に飛んできた言葉に思わず青筋が隆起する。
「じゃあ、お年玉頂戴♪おにーちゃん。」
「……お前はこういう時だけ―――お前も給与は貰ってるだろ?」
弟の滅多に聞けない、というか小学生以来聞いていない呼称に軽い頭痛を覚え、吹き飛んだ感謝の念の名残に額に手を当てた。
「だって俺のバイク、もうないし……それに俺らの家、ちゃん
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