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逆さの砂時計
集結
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、その記憶では初対面になるのだろうが」

 なっ……なん、だと……っ!?
 猫の鳴き声にしか聴こえないティーの……竜族の言葉が理解できるのか!?
 すごいな、魔王!

「みゃいみゃににゃににょみょみょみぇにぇみみゅみょにゃ? みょにゅみみゃ」

 ぐるると低く唸るティーの言葉に、レゾネクトは……

 なんだ?
 いきなり表情が険しくなった?

「なるほど。記憶だけが引き継がれても鬱陶しさには変わりないようだな、時司(ときつかさ)の神。貴様に答えるつもりはない。二度と語れぬよう、今度こそ完全に消滅させてやろうか!」

 レゾネクトの右腕が乱暴に振り上げられ、その拳に紫色の火花が散る。

 ……()()()ない。
 ティーの言葉が、嫌みなまでに冷静なレゾネクトの態度を乱した。
 ティーはいったい、彼に何を言ったんだ?

「みゃみゃみぇにゃみょにょみょ」

 斜めに振り下ろしたレゾネクトの拳から。
 紫色の雷光が、バリバリと音を立ててティーに襲いかかる。
 ティーはカパッと口を開き、それを全部飲み込んだ。
 次の瞬間

「にゃあああ────ッ!!」

 激しい……雄叫び?
 と共に、金色に輝く閃光をレゾネクトに向けて吐き出した。

「ゴールドブレス……!」

 苛立たしげに呟きながら空間移動で回避するレゾネクトを。
 ティーは微動だにせず睨む。

 太古の支配者、ゴールデンドラゴン。
 リースさん曰く……竜族がかつて生物最強を誇っていた理由は、あらゆる怪奇現象を取り込んで自分の力に変換する、という生態にあったらしい。
 気候や地殻の変動といった自然現象には敵わず、やがて滅びた竜族だが。
 精霊や魔王や神の力に対する優位性は健在のようだ。
 見かけはともかく。

「みみぇにゅ」
「? はい」

 首をひねって、背後の私に振り返る。
 多分、名前を呼ばれたのだろう。

「にょめ」

 ……にょめ?
 にょ、め?
 よ、べ?

 ああ、()()か。

「使えますか?」
「にゅむ」

 一つ頷いて、またレゾネクトに顔を向けるティーの丸っこい背中が。
 今はとても頼もしく見える。

「では……『古の盟約に従い、我が元へ集え! 神々の使徒リースリンデ、リーフエラン、リオルカーン!』」

 『言霊』に応えた三つの光が、私を三角に囲んでぱぱぱっと現れる。
 右手側に紅色の鷲もどき。
 左手側に碧色の狼もどき。
 背後に黄色の獅子もどき。

 なんでも、彼女達のこの姿は『精獣』と呼ばれる形態だそうで。
 実際の獣と比べると、色はもちろん、形も微妙に異なっている。
 なので、私の認識で()()|ら
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