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逆さの砂時計
集結
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変換する生態にあったらしい。
 気候や地殻の変動といった自然現象には敵わず滅びた竜族だが、精霊や魔王や神の力に対する優位性は健在のようだ。
 見掛けはともかく。
 「みみぇにゅ」
 「? はい」
 首を捻って私を見る。多分、名前を呼ばれたのだろう。
 「にょめ」
 ……にょめ?
 にょ、め? よ、べ?
 あ、「呼べ」か。
 「使えますか?」
 「にゅむ」
 一つ頷いて、またレゾネクトに顔を向けるティーの丸っこい背中が、今はとても頼もしく見える。
 「では……古の盟約に従い、我が元へ集え! 神々の使徒リースリンデ、リーフエラン、リオルカーン!」
 言霊に応えた三つの光が、私を三角に囲んでぱぱぱっと現れる。右に紅い鷲もどき、左に碧の狼もどき、背後に黄の獅子もどき。
 ……いや、なんでも彼女達のこの姿は精獣と呼ばれる形態だそうで、実際の獣と比べると色は勿論、形も微妙に異なってる。なので、私の認識で「それらしいものもどき」だ。
 「竜と精獣を従えた女神か。……邪魔だ。纏めて潰してやる!」
 明らかに様子が変わったレゾネクトに向かって、獣達が吼える。
 「リースリンデ、防音障壁! リーフエラン、突撃! リオルカーンは直接攻撃からの防衛!」
 リースリンデが人間には知覚できない高い声で大気を揺らし、ティーの前に出たリーフエランの爪と牙が、避けるレゾネクトを透かさず追い掛ける。
 その合間にも魔王の力が働いてるのか、ティーが時々口を動かしては何かを飲み込んでゴールドブレス? に変える。
 気を抜ける場面ではないが、精獣達のおかげで多少余裕は生まれた。アリアが現れてくれない以上、レゾネクトをどうにかするしかない。退治は無理でも、せめて攻略の糸口を見付けられれば
 「喧しい!!」
 「みゃう!」
 「! ティー!」
 リーフエランの攻撃を躱したレゾネクトが空間を移動して、ティーを直接殴り落とした。
 しまった。ティーが食べられるのは外向けの力だ。レゾネクト自身に作用する力は止められない。
 よほど強く殴ったのか、音はあまり聞こえないが、森の一部分が衝撃で形を変えた。
 「動」
 「!」
 私への接近を阻もうとした精獣達の動きが、レゾネクトの言葉でピタリと止まる。私まで動けない。もしかして、風も止まってないか?
 さっきの言葉といい、今といい……まさか、魔王の力とは……
 「お前を殺すのは惜しいがな。不愉快にしてくれた礼だ。せめて苦しみを感じる前に、死ね」
 怒りだ。激しい怒りを瞳に湛えたレゾネクトの左手が、私の首を捕らえる。指先を真っ直ぐ伸ばした右手を引いて、私の心臓を狙う。
 「やめろぉおおおおぉぉおおッッ!!」
 「……!?」
 爪先が体に触れる寸前で、レゾネクトの腕が止まる。
 大音量で響き渡った
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