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逆さの砂時計
集結
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刺突は空間移動で避けられ、振り向けば私が居た場所で重なり合った五枚のカードを再度空中に展開してる。
 「解っていても、なかなかできる事じゃない。認めよう。お前は優秀だよ、フィレス」
 「本当に……際どい選択でしたけどね」
 『退魔の力は神を傷付けない』
 私を覚醒させた状況から推測した結果だが、その通りで良かった。でなければ、ただの自殺行為だ。
 「では、次はどうする?」
 レゾネクトの指先がカードを弾く。また同じ攻撃か?
 ……違う。迫って来る途中で薄緑色が紫色に変わった。
 魔王の力か。これは受けられない。
 「……っ」
 弾けるとは思えないが、咄嗟に剣を構え
 「みゃうっ!!」
 ひゅん! と、目の前を金色の光が走った。
 下から昇ったそれはぐるりと大きな円線を引いて、五枚のカード総てを「食べた」。
 ああ……助かりましたが、まだちょっと早かったです。気付かれないだろうか……。
 「ゴールデンドラゴン!? 」
 「みゃああッ!」
 驚きに一歩分後退したレゾネクトと私の間に羽根を広げて浮かび、牙を剥いて威嚇する元黒い日記ことゴールデンドラゴンのティー。
 勢いは勇ましいのですが、その容姿と鳴き声では少々緊張感が……。
 「……そうか。あの男の日記を変容させたのか」
 「みょにゅみ、みゃいみゃにょみょみぇみみょうにゃみゃみぇみゅみぇにゃい」
 「その口振り……懐かしいものだな、バルハンベルシュティトナバールよ。もっとも、その記憶では初対面になるのだろうが」
 ! ティーの言葉が解るのか! 凄いな魔王!
 「みゃいみゃににゃににょみょみょみぇにぇみみゅみょにゃ? みょにゅみみゃ」
 ぐるると低く唸るティーの言葉に、レゾネクトは……なんだ? いきなり表情が険しくなった?
 「……なるほど。鬱陶しさには変わりないようだな、時司の神。貴様に答えるつもりは無い。二度と語れぬよう、今度こそ完全に消滅させてやろうか!」
 レゾネクトの右腕が乱暴に振り上げられ、拳に紫色の火花が散る。
 ……らしくない。
 ティーの言葉が、嫌味なまでに冷静なレゾネクトの態度を乱した。
 一体、何を……
 「みゃみゃみぇにゃみょにょみょ」
 斜めに振り下ろしたレゾネクトの拳から、紫色の雷がバリバリと音を立ててティーに襲い掛かる。ティーはカパッと口を開き、それを全部飲み込んだ。
 次の瞬間
 「にゃあああッッ!!」
 激しい雄叫び? と共に、金色に輝く光をレゾネクトに向けて吐き出した。
 「ゴールドブレス……!」
 苛立たしげに呟きながら空間移動で回避するレゾネクトを、ティーは微動だにせず睨む。
 太古の支配者ゴールデンドラゴン。
 リースさん曰く、彼らがかつて最強を誇った理由は、あらゆる怪奇現象を取り込んで自分の力に
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