暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜黒の剣士と神速の剣士〜
SAO:アインクラッド
第26話 談判
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鋼鉄の扉が現れた。
アスナは気乗りしない様子で頷くと、やがて意を決したように右手をあげると扉を音高くノックし答えを待たずに開け放った。
中は塔の1フロアを丸ごと使った円形の部屋で壁は全面透明のガラス張りだった。
中央には半円形の巨大な机が置かれ、その向こうに並んだ五脚の椅子にそれぞれ男が腰掛けていた。
アスナはブーツを鳴らし机の前まで行くと、軽く一礼した。

「お別れの挨拶に来ました」

その言葉にヒースクリフはかすかに苦笑し、

「そう結論を急がなくてもいいだろう。彼と話をさせてくれないか」

そう言ってヒースクリフはキリトを見据える。
キリトはフードを外してアスナの隣まで進み出る。

「君とボス攻略戦以外の場で会うのは初めてだったかな、キリト君」

「いえ……前に67層の対策会議で少し話しました」

キリトは敬語になってしまいつつ答える。
ヒースクリフは軽く頷くと机の上で両手を組み合わせながら言う。

「あれは辛い戦いだったな。我々も危うく死者を出すところだった。トップギルドなどと言われても戦力は常にギリギリだよ。……なのに君達は、我がギルドの貴重な主力プレイヤーを引き抜こうとしているわけだ」

「貴重なら護衛の人選に気を使ったほうがいいですよ」

ぶっきらぼうなキリトの台詞に机の右端に座っていたいかつい男が血相を変えて立ち上がろうとしたが、ヒースクリフはそれを軽く手で制すと、

「クラディールは自宅で謹慎させている。迷惑をかけてしまったことは謝罪しよう。だが、我々としてもサブリーダーとその補佐を引き抜かれて、はいそうですか、という訳にはいかない。キリト君、カゲヤ君───」

ヒースクリフはひたとキリトとカゲヤを見据えると続けた。

「欲しければ剣で───《二刀流》と《神速》で奪い給え。戦い、勝てばアスナ君とサキ君を連れて行くがいい。だが、負けたら君達が血盟騎士団に入るのだ」

「少し勘違いしてないか?」

今までキリトの後ろで黙っていたカゲヤが口を開いた。

「俺は別にサキをギルドから引き抜こうとしているわけじゃない。ただ休暇を貰いたいと言っているんだ」

「うむ。しかしそうすると階層攻略が遅くなってしまうが?」

「それはあんたが前線に出ればいいだろう」

「それだとギルドがうまく回らなくなるが?それにサブリーダーとその補佐の仕事はどうするのかね?」

「そ、それは……」

カゲヤは言葉に詰まらせる。
しかし今度はアスナが口を開いた。

「団長、私は別にギルドを辞めたいと言っているわけじゃありません。それに仕事ならみんなで分担してすればいいじゃないですか。私はただ、少しだけ離れて色々考えてみたいんです」

キリトはなおも言い募ろうとするアスナの肩
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