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迎え
2部分:第二章
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ら」
「見えるものだけじゃないのよ」
 けれどお姉さんはそれも否定した。
「じゃあもっとなの?」
「そう、もっともっと。今君がいる場所よりもずっと広いでしょうね」
「そんなに広いんだ」
「けれどね、ここは今君がいる場所とは違うのよ」
 そしてこうも言った。
「あの女の子のところにもすぐに行けるの。どんなに広くても」
「!?」
「まあわからないのも無理はないわ」
 これだけ広くてどうして、と首を捻った一樹に笑ってこう述べた。
「そのうちわかるようになるから」
「何か全然わからないんだけれど」
「少なくとも今はわかる必要はないわ。それでね」
 お姉さんは言う。
「あの女の子を君のいる場所に連れ戻したいのよね」
「そうだよ」
 その問い掛けには強い返事を返した。
「だからここに来たんだよ」
「そうね、立派だわ」
「立派って」
「ここはね、今君がいる場所とは全然違う場所なのよ」
 お姉さんはそう前置きして説明をはじめた。
「生きていれば本当は来ることが出来ない世界なのよ」
「生きていればって。じゃあさっちゃんは」
「ええ、死んだのよ」
 すっきりとした声で答えた。
「一度ね」
「遠い場所に行ったっていうのはそういう意味だったんだ」
「死ぬってことはわかってるみたいね」
「この前お婆ちゃん死んだから」
 一樹は答えた。
「じゃあ僕のお婆ちゃんもここにいるんだ」
「そうよ、ここからずっと向こうの場所にね」
「そこに」
「この荒地にはいないけど。そこにはいるわ」
「そうだったんだ」
「それで君が探している女の子だけれど」
「うん」
 一樹はそれを聞いて顔を上げた。
「ここにいるの?」
「そうよ、会いたいのよね」
 もうこれは聞くまでもなかった。だがあえて聞いた。


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