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魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
105話:機動六課防衛戦線(中編2)
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う望んだ”からだろ?


「俺だって望んださ、全てを救ってのハッピーエンドを」
「ただ、やっぱり“彼ら”のようにはいかなかった。当然だよな、俺は“彼ら”じゃないんだから」


 プレシア・テスタロッサ、リインフォース。彼女らの、幸せであった筈の未来。他にも、救えなかった命は、幸多き筈の未来は多くある。でも救えなかった、それは多分俺自身が“弱い”から。
 だけど、じゃあ“彼ら”と同じような強さがあったら救えたか、と問われれば―――YesともNoとも言えない。
 確かに力があれば救えた命もあろう。

 だけど俺は―――“彼ら”ではない。

 “門寺 士”という一人の人間なのだから。


「俺には“彼ら”のような力のない、確固たる決意も、それを与えてくれる過去も。
 ―――だけど、こんな俺にだって救えるもんがある。“彼ら”から借りてるようなこの力でも、助けられる命が確かにあるんだ。だったら救えなかった命も未来も、その思いも全部背負い込んで……その分戦って、救えるもんを救っていくしか…守れるもんを守っていくしかないだろ」


 それが救えなかった俺の負うべき責任で、俺がするべき事だ。
 まっすぐに、ディエンドを―――その奥にあるエクストラの瞳(め)を見つめながら言った言葉。それは彼が経験してきたこと全てをつぎ込んで、導き出した……士の“力を持つ者”としての答えだった。


「俺はこの力で、戦うことしかできない。戦うことでしか守れない、救えないんだ。不格好だろうと何だろうと、戦って前に進むしかないんだ」
「………」


 士の言葉に、押し黙るエクストラ。
 しばらくの沈黙の後、士はある変化に気がつく。

 ―――ディエンドの、エクストラの手が…震えていた。


「―――だったら…」
「……?」
「だったら、なんで……」



「なんで俺を―――助けてくれなかったんだ…ッ!」


「―――ッ!」


 震え交じりに放たれた言葉、その言葉で士の中にあった考えが、確実なものとなる。


「やっぱり、お前はッ…」
「―――黙れッ!!」


 士の言葉を遮るように、ディエンドは引き金を引く。咄嗟に剣を盾に、飛んでくる弾丸を防ぐ。
 ディエンドが銃を撃つ隙を狙い、ガタキリバが背後から狙う。だがやはりというべきか、ディエンドは銃と剣を用いてガタキリバの攻撃を防ぎ、逆にダメージを与える。

 そしてガタキリバの腕を掴み、肩へ―――一本背負いで、ガタキリバをタトバの下まで投げ飛ばした。


「ぐ…ッ」


 地面に転がるガタキリバ。ディエンドは牽制すべく、二人に銃口を向ける。
 ゆっくり立ち上がると、少し構えるガタキリバ。しかしその横に立つタトバは、剣を構えるこ
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